2013 Fiscal Year Research-status Report
体感型機関シミュレータを用いた故障検知能力の革新的向上に関する研究
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25420863
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
井川 博雅 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (20184377)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 誠 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (90176694)
段 智久 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (80314516)
三輪 誠 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 講師 (30379341)
河合 和弥 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 講師 (80708165)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 機関管理 / 体感型シミュレータ / 触手法 / 温度推定 |
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| Research Abstract |
手のひらで配管温度を確認(以下触手法)できる模擬配管温度調節装置を製作し，これを神戸大学海事学研究科に設置されている舶用機関プラントシミュレータに組み込んで革新的な体感型機関シミュレータを開発し，機関管理に関する教育・訓練方法とその評価方法を検討・検証することが本研究の目的である。この目的のために研究初年度の平成25年度は7月までに模擬配管温度調節装置を製作し，さらにこれを用いた温度推定実験を本研究科の船舶職員および海事科学部学生の協力の下に行った。これらを経験別に分類して比較した結果を9月までに，さらに学生がトレーニングを行った場合の効果について調査した結果について12月までに得て解析した。前者について経験の差よる影響を調査した結果，触手法による測温精度には経験値による影響が見られ，トレーニングによる向上が期待できることが確認された。後者についてはトレーニングによって測温精度が向上すること，トレーニングのインターバルは測温精度に影響を及ぼさないこと，トレーニング終了後期間をあけて再実験した場合には測温精度がやや低下することなどが明らかになり，別途実施した学外シミュレータ施設における見学・討論の結果と併せて次年度以降の教育訓練方法の検討に対する貴重な情報を得ることができた。併せて同模擬配管温度調節装置を舶用機関プラントシミュレータに組み込む準備として，同装置を制御する温度調節器と操作端末間の通信ソフトウェアを独自に開発し，両者の間でシリアル通信を可能とし，模擬配管温度調節装置の設定温度の変更と現在温度の読み出しを行うことができるようになった。さらにシミュレータを所有する国内外の海事科学関連教育・研究機関，船舶運航会社等を学内の勉強会にて調査し，体感型シミュレータに関する調査項目の検討を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の実施計画は，模擬配管温度調節装置を制作すること，同装置を用いて触手法により温度をどの程度正確に読み取れるかを定量的に検証することおよび国内外の海事科学関連教育・研究機関や船舶運航会社等のシミュレータについて調査することであったが，全体としては「おおむね順調に進展している」と自己評価している。特に定量的な検証に関しては，経験を積むことによって±５℃程度の範囲で温度推定が可能なことに加え，トレーニングによる測温精度の向上が確認できており「当初の計画以上に進展している」と自己評価している。シミュレータの調査に関しては国内外のシミュレータを所有する海事科学関連教育・研究機関，船舶運航会社等の調査ならびにこれらの機関等に対する体感型シミュレータに関する調査項目の検討がほぼ終了した状況で，調査は次年度に行うこととなったがその準備は整っていると考えている。さらに模擬配管温度調節装置のシミュレータへの組み込みに向けた通信制御ソフトウェアの開発を行った。上述の定量的な検証は温度調節器メーカー製の市販の通信制御ソフトを用いて行ったが，シミュレータに組み込むために，独自にソフトウェアを開発する必要があった。このソフトウェア開発により，現在温度の読み出しと設定温度の変更が可能となり，次年度に予定している同装置の舶用機関プラントシミュレータに組み込みのための基礎技術が確立できたと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究の推進方策は，基本的には提出済みの研究計画調書に記載した実施計画に従う予定である。本研究は全体として「おおむね順調に進展している」が，一部「やや遅れている」研究項目としてシミュレータの調査がある。上述のようにシミュレータを所有する機関の調査と体感型シミュレータに関する調査項目の検討についてはほぼ完了しており，次年度には各機関に体感型シミュレータに関するアンケート調査を行って分析に入るので，シミュレータのシナリオ検討までに遅れは取り戻せると考えている。
平成26年度は，本年度に製作した模擬配管温度調節装置をペルチェ素子の大型化や電源変更により応答性と温度分布をさらに改良し，舶用機関プラントシミュレータに同装置を組み込んで体感型機関シミュレータとして完成させると共に，これを用いて故障検知能力を定量的に評価できる故障検知シナリオを検討・構築する予定である。装置の組み込みに際しては，体感温度を実現する配管の箇所を事前に十分検討し，可能な範囲で最も有効な箇所を選定する。また故障検知シナリオの構築は，まず前年度の調査を踏まえて従来型のシミュレータに対して最も定量的評価に効果的なものを神戸大学に勤務する船舶機関士の協力の下に検討し，学生の協力も得ながらシナリオの妥当性を実験的に検証する。４-９月期には，アンケート結果に基づきシミュレータに有効なシナリオ検討を行うなど同装置の組み込み準備を行い，10－３月期に組み込みのためのシミュレータ改良と故障検知シナリオの検討・構築を行う予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シミュレータの調査が「やや遅れている」ことが一つ目の理由である。また，次年度における直接経費は申請額の約80％であるが，次年度に予定している模擬配管温度調節装置のシミュレータへの組み込み作業は減額が困難な項目であるため，減額分を補うために本年度分の経費を意識して節約したことがもう一つの理由である。
次年度使用額は，シミュレータの調査と上記組み込み作業に使用する予定である。前者はアンケート調査をメィルで行うなど可能な限り節約し，後者に必要な機能をできるだけ削ることなく組み込み作業を行うようにする予定である。
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