2014 Fiscal Year Research-status Report
GPGPUコンピューティングを活用した大規模構造物の高精度溶接変形予測法の開発
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25420873
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
柴原 正和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20350754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 真介 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (50535052)
村川 英一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (60166270)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GPGPU / 溶接変形 / 船体ブロック / 大規模解析 / 高速解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに構築された超大規模溶接変形シミュレーション手法を,基礎試験である板継ぎ溶接・T継手隅肉溶接試験に適用し,仮付け,ルートギャップ,目違い等が角変形,縦収縮,横収縮に及ぼす影響について検討を行った。さらに、デジタルカメラを用いた変形計測法を適用することにより,デジタルカメラで撮影した全視野における溶接変形量の計測を行った。解析結果と実験結果との比較から、提案手法の妥当性が示された。 次に、3D-CADデータを基にFEMメッシュ作成を容易に行うことができる方法について検討した。熱弾塑性解析に基づく溶接変形解析では,溶接線近傍において要素を非常に細かくする必要があるが,ここでは,CADデータに含まれる溶接線情報を基に,溶接解析用要素分割を生成するシステムの構築を行った。 以上の取り組みにより、本申請研究で目的としている溶接構造物の製造工程における変形予測のための基盤技術を開発した。以上の基盤技術を統合し,船体ブロック溶接組立工程における変形が予測可能な解析システムを構築した。本解析システムの適用例として、船体ブロックの解析モデルを作成した。次に,船体大型ブロックレベルの大規模解析を対象とし,なおかつその組立工程におけるブロック位置,ブロック寄せ作業,仮付け,ルートギャップ,目違い,溶接条件等の諸条件を考慮可能な手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究期間の研究実施項目として、 ③基礎試験(板継溶接・T継手隅肉溶接)の実施および画像計測 ④3D-CADデータからの溶接線を自動抽出可能な要素分割作成システムの開発 ⑤開発された要素技術を統合化した船体大型ブロックの溶接組立変形解析システムの開発 を挙げていたが、③⑤に関しては完了した。④に関しては、一部、開発が困難な点もあったが、概ね、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
⑥提案システムを用いた船体大型ブロック溶接組立時に発生する変形の発生予測 ⑦船体大型ブロック溶接組立時の変形低減・制御を可能とする最適化システムの構築 項目⑥に関しては、実在の大規模構造物の製造時における溶接変形問題に本システムを活用することで,本システムの実施工に対する応用を実施する。本システムの適用事例としては,船体大型ブロック溶接組立時に発生する溶接変形問題を想定する。なお,本システムにより得られた変形量の実験的検証も予定しており,画像計測や3Dレーザスキャナを用いて本手法の妥当性について検証、あるいは、文献と照合することにより検証を進める。可能であれば、造船現場におけるブロック組み立て時の変形と比較することにより、解析精度を検証する。
項目⑦に関しては、大規模構造物の溶接組立における溶接変形の最小化を目的とした溶接順序や溶接条件の最適化に対して,本システムの適用を試みる。最適化の対象としては,項目⑥と同じ船体ブロックの溶接組立問題を想定する。
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