2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420896
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
鈴木 隆博 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 那珂核融合研究所, 研究主幹 (60354594)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / アメリカ / ドイツ / プラズマ・核融合 / トカマク / 高速イオン / 乱流輸送 / 電流駆動 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した通り、研究代表者は所属研究機関での職務によりH25年9月から1年間英国JET装置に赴き研究開発に従事している。本研究課題では、課題に必要な実験を遂行できる米国DIII-D装置及び独国ASDEX Upgrade装置に赴き既存の実験データ解析と調査等がまず必要になる。このため交付申請時に、本格的研究開始時期を応募申請時の研究計画に対して1年間遅らせH26年度からとした。この上で、本年度は各装置の研究担当者と本研究課題に関して連絡を取り情報交換を行うとともに、H26年度の計画を議論した。 DIII-D装置は研究代表者の帰国(H26年9月)後の時期に次の実験期間の準備に入るため、実験データの解析と実験提案の準備に適した運転計画である。またH26年度前半には既存の実験データに加えて新しい実験データも追加される見込みであるとの情報も得た。研究担当者の都合も現在のところ良いため、研究代表者がH26年度後半にDIII-D装置に赴くことで合意した。ASDEX Upgrade装置は、研究代表者の帰国後の時期における実験計画と研究担当者の都合に未定の点が多く詳細を詰めるには至っていない。H26年度も引き続き、研究代表者が既存の実験データの解析に赴く時期を議論していく。 なお、応募申請時に計画した研究設備の購入については、研究代表者のJET装置への赴任がH25年度の中頃(9月)となった時点で、機器の老朽化を避けるためH26年度に延期することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
応募申請時には予期できなかった理由により、研究代表者は英国JET装置で職務を行うこととなった。このために、「研究の目的」の達成度は1年遅れている状況である。ただし、初年度(H25年度)の交付申請時に修正した「研究実施計画」に沿ってH26年度の研究課題遂行の準備は進んでいる。DIII-D装置については順調であり、ASDEX Upgrade装置についてもH26年度中には研究計画を明確にできると考えており、場合によっては既存の実験データの解析まで進めることもあり得ると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの達成度」に関する課題は主に研究代表者の職務およびエフォートと関係したものであり、研究上の課題ではない。このため初年度(H25年度)の交付申請時に修正した「研究実施計画」通りに進めていけると考えている。 H26年度は研究代表者の帰国後、研究設備の購入にとりかかる。その上で、DIII-D装置およびAUG装置に赴き、(1)静電乱流輸送モデルと電磁乱流モデルの効果を切り離す実験を提案するために打ち合わせを行うとともに、(2)各装置の既存のデータを解析し、計測機器の特性を調査して、具体的な運転パラメータを決定する。各装置の研究担当者との議論に基づき実験提案を作成する。実験スケジュールによっては、H26年度に実験まで行うこともあり得る。 H26年度に検討した提案に基づきDIII-D装置および(または)AUG装置において実験を実施した上でデータ解析を行う予定である。実験的に評価したNB駆動電流を乱流輸送が無い場合の理論値と比較し、両者のEb/Te値およびβt値に対する依存性を明らかにする。これにより静電乱流輸送モデル、電磁乱流輸送モデルのいずれが実験を説明し支配的なのかを明らかにする。NB駆動電流のプラズマ形状に対する依存性も調べ、プラズマ形状が乱流輸送に及ぼす影響も明らかにする。 各装置の運転計画により、実験はH28年度になることがあり得る。応募申請時には予期できなかったH25年度での事情を考慮し、「事業期間延長申請」を視野に入れている。 解析結果は、国内国外の学会で広く発表する。学会での議論は論文執筆(および、場合によりH28年度の実験)に活用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
応募申請時には予期できなかった理由により、研究代表者は英国JET装置で1年間職務を行うこととなったため。初年度(H25年度)の交付申請時にはこの理由を述べ、本格的研究開始時期をH26年度からとする研究実施計画に修正した。研究設備の購入についても、上記理由に伴い機器の老朽化を避けるためH26年度に延期することとしたため。 研究代表者の帰国(9月)後、研究設備の購入にとりかかる。また、米国DIII-D装置に赴き、既存の実験データの解析と新規実験を提案するための打ち合わせを行うために使用する。独国ASDEX Upgrade装置に関しては、今後の研究担当者との調整によっては、ASDEX Upgrade装置に赴き既存の実験データの解析と新規実験を提案するための打ち合わせを行うために使用する可能性がある。
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