2014 Fiscal Year Research-status Report
核融合炉心プラズマ構造形成に対する水素同位体効果に関する研究
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25420897
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
浦野 創 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 那珂核融合研究所, 研究員 (70391258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Hモード / ELM / ペデスタル / プラズマ / JT-60 / JET |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、トカマク式核融合炉においてプラズマ周辺部に形成される輸送障壁によって閉じ込めが改善される高閉じ込めモード(Hモード)を対象として,周辺プラズマ構造と周辺部に局在する不安定性に及ぼす影響を理解し,将来の核融合炉における周辺プラズマ性能を定量的に予測することを目的としている.特に周辺ペデスタル構造は炉心プラズマ全体の閉じ込めや核融合炉の出力に対する境界条件となるため適切な予測とその制御が求められる.これまでに周辺プラズマにおける無次元量による周辺ペデスタル幅の定量化が行われてきており, 周辺ペデスタル幅は規格化ポロイダルベータ値の平方根に比例することが知られている. しかし, この無次元量による評価は衝突周波数やプラズマ形状を固定した実験下で行われているため, 特に衝突周波数による効果は未だよく分かっていなかった. そこで平成26年度は国立研究開発法人日本原子力研究開発機構JT-60Uにおいて周辺ペデスタル幅の衝突周波数依存性を調べた.衝突周波数を積極的に増大させたところ,圧力勾配駆動型の電磁流体力学的不安定性で発生によって制限される周辺ペデスタル幅に大きな差異が見られなかった. しかし, 周辺電流が低下した領域で,さらに衝突周波数を上げた実験では 周辺ペデスタル幅の増大が観測されており, 電磁流体力学的不安定性の発生領域がペデスタル構造に寄与しているという重要な知見を得た.本研究結果はNuclear Fusion誌に掲載された他,リスボン(ポルトガル)で開催される第41回ヨーロッパ物理学会プラズマ物理に関する国際会議において発表する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構JT-60Uにおける実験結果を解析し,主に水素同位体,衝突周波数,周辺電流密度に準じた周辺分布データベースに基づいたプラズマ境界構造の評価とELM特性の解析し,それらを包括的にまとめ,論文発表を行ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,英国カラム研究所JET装置における金属壁導入によるHモード実験に参加し,衝突周波数,周辺電流密度,不純物による周辺プラズマ構造への影響に関して解析を行う.また,国立研究開発法人日本原子力研究開発機構JT-60UにおけるHモード周辺プラズマに対する電磁流体力学的不安定性に関する解析を実施する.
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Causes of Carryover |
本研究目的に関する英国カラム研究所への訪問を当該年度に予定していたが,受入先の実験スケジュールの調整が付かなかった.これまでに取得した実験データを用いて本研究は研究計画に沿って順調に進んでいるが,研究内容の議論及び実験参加のために予定していた訪問を次年度以降に持ち越す形となった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度における研究成果を6月に開催される国際会議において発表予定である.また昨年度予定していた英国カラム研究所での研究内容の議論及び実験参加を行う.これらの目的のために次年度使用額を用いる計画である.
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Research Products
(4 results)