2014 Fiscal Year Research-status Report
低線量影響における地域参画型リスクコミュニケーション手法の構築
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25420902
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山野 直樹 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 特命教授 (10397044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 佳伸 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 教授 (60252582)
安田 仲宏 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 教授 (30392244)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低線量影響 / 放射線健康影響 / リスクコミュニケーション / 福島第一原子力発電所 / 公衆参画 / 共進化 / リスク認知 / 意思決定過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に実施した社会調査結果の統計分析を行い、先行事例研究の調査結果も参考に、公衆の低線量リスク認知における阻害要因や課題をメタ知識のレベルまで掘り下げて詳細に分析した。分析結果を基に、平成25年度に作成した「低線量影響に対するガイドブック」のドラフト案の内容を「プラットフォーム型研究フォーラム」会議で更に議論・検討し、最終ドラフトを作成した。 「低線量影響に対するガイドブック」の最終ドラフトを基にして、敦賀市を対象とした保健師、管理栄養士、助産師、地域メディア及び地域市民との勉強会を継続的に実施し、地域市民の意見を反映した「低線量影響に対するガイドブック」の初級編を制作した。地方自治体及び地域コミュニティを対象としたリスクコミュニケーションの社会実験として、「低線量影響に対するガイドブック」初級編を用いた地域市民によるフィールドワーク(発表会)を試行し、リスク認知度や理解度の改善効果を検討した。 地域参画型リスクコミュニケーション手法の実装手法については、「プラットフォーム型研究フォーラム」会議で社会実験の過程で生じた様々な問題点や課題を検討し、解決を図るための実装ガイダンスを議論した。 研究成果を国内外の学会等で発表し、地域参画型リスクコミュニケーション手法の実践的モデルについて広く議論するとともに、首都圏及び敦賀市の二か所で公開フォーラムを開催して、関連分野の専門家や地域市民に対するアウトリーチ活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画に基づいて、「プラットフォーム型研究フォーラム」会議及び運営委員会を定期的に開催し、地域市民との勉強会を継続して実施した。地域市民の意見を反映した「低線量影響に対するガイドブック」の初級編を制作した。 地方自治体及び地域コミュニティを対象としたリスクコミュニケーションの社会実験として、「低線量影響に対するガイドブック」初級編を用いた地域市民によるフィールドワーク(発表会)を試行し、リスク認知度や理解度の改善効果を調査検討した。 敦賀市民を対象とした意識調査結果を分析し、成果を論文に纏めた。敦賀市及び首都圏において、本研究課題の公開フォーラムを計画通り実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成27年度は、平成25、26年度の知見を基に、「プラットフォーム型研究フォーラム」会議において地域参画型リスクコミュニケーション手法の総合的な検討作業を実施する。 「プラットフォーム型研究フォーラム」運営委員会では、研究分担者、連携研究者及び研究協力者との議論を通じて、設計された地域参画型リスクコミュニケーションの「場」に対するメンバーシップや実装プロセスの適切性、対話の方法論、専門家の関与の在り方、「場」の目的達成度評価などの論点分析を行い、地域参画型リスクコミュニケーション手法の有効性評価を実施する。 地域参画型リスクコミュニケーション手法の実践的モデルを提案し、実装プロセスで生じる様々な課題とその解決のための実装ガイダンスをまとめる。 平成25~27年度の研究成果を総合化し、「地域参画型リスクコミュニケーション手法」としてとりまとめ、本研究の最終成果を国内外の学会等で発表すると共に報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
公開フォーラム並びに運営委員会の開催において共同研究者または連携研究者の都合による予期できない欠席により当初予定の旅費・謝金の支出が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
勉強会の開催回数とフィールドワークを当初計画より若干増加させることによる旅費・謝金等の経費に充当する。
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