2013 Fiscal Year Research-status Report
ケミカルヒートポンプによる完全太陽エネルギー駆動冷暖房システムの構築
Project/Area Number |
25420917
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 裕直 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40253554)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ソーラーケミカルヒートポンプ / 太陽熱 / 集熱 / 化学蓄熱 / 日射 |
Research Abstract |
1.太陽化学蓄熱に最適な集熱方式および制御方法 太陽熱をオイル等で高温集熱熱交換し、密閉系ケミカルヒートポンプにて化学蓄熱/冷温熱生成を連続的に行うことにより、年中通して利用可能な外部エネルギーを一切利用しないケミカルヒートポンプによる完全独立型高効率太陽エネルギー駆動冷暖房システムの構築が可能となる。これを可能にするのに最も基本となる太陽熱特性に対応した化学蓄熱可能な集熱方式および制御方法の検討を実験および理論解析により行った。具体的には、まず本学所有ビルの屋上等において日射量データベースを作成した。次に、申請者らがこれまでケミカルヒートポンプに用いたことのある反応材料を中心に、その稼働温度、入出力特性等を考慮して、世界各地における化学蓄熱に必要な集熱シミュレーションを行い、集熱器のデザイン検討を行った。その後、真空管型集熱器をベースに集熱器を製作して、設置場所、方位、角度等を変えながら実際に集熱可能な熱エネルギー特性のデータベースを作成しながら、適宜デザイン変更、集熱制御法の検討を行い集熱効率の向上を図った。 2.太陽化学蓄熱に最適な熱交換方式および制御方法 1.に連動して熱交換媒体、熱交換方法を検討した。1.における集熱方法に基づき、化学蓄熱反応材料にはオイルによる蓄熱熱交換を行った。各種検討の結果、強制対流方式を採用し、日本における夏季や亜熱帯諸国では熱交換デザインにより化学蓄熱に十分な温度域と熱入力が得られることが実験および理論により確認された。しかしながら低日射量時や低温時には化学蓄熱に十分な性能が得られない場合があるため、次年度行うケミカルヒートポンプデザイン案も検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.太陽化学蓄熱に最適な集熱方式および制御方法については、当初想定していた集熱方式内でソーラーケミカルヒートポンプとして制御可能な集熱方式を見い出せたため。 2.太陽化学蓄熱に最適な熱交換方式および制御方法については、日本における夏季や亜熱帯諸国では熱交換デザインにより化学蓄熱に十分な温度域と熱入力が得られることが実験および理論により確認されたため。しかしながら低日射量時や低温時には化学蓄熱に十分な性能が得られない場合があるが、次年度行うケミカルヒートポンプデザインにより対応できる可能性を見い出したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、前年度行った1.2.を受けて、まず3.太陽化学蓄熱に最適な反応材料および調整方法、を実験および理論解析により検討する。さらに1-3を必要に応じてフィードバックをかけながら進めた後に、4.太陽化学蓄熱駆動に最適なケミカルヒートポンプデザインおよび運転方法の検討を実験および理論解析により進める。 平成27年度は、1-4を受けて、太陽熱駆動ケミカルヒートポンプに太陽光発電による熱媒駆動を組み込んだ最終製品型の5.完全独立型高効率太陽エネルギー駆動冷暖房システムの構築および運転評価を行う。
|
Research Products
(3 results)