2013 Fiscal Year Research-status Report
制御回路を用いなくても最大出力電力が得られる風力発電装置の開発
Project/Area Number |
25420918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
作井 正昭 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (70019222)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 風力発電装置 / 制御回路レス / 三相倍電圧整流回路 / 最大出力制御 / 永久磁石型同期発電機 |
Research Abstract |
制御回路レス方式風力発電装置の先行技術では,異なる出力電圧を得るのに,2つの巻数の異なる巻線をもつ特殊な発電機を用いて機械的に行っているが,本研究では,直流出力電圧が異なる整流回路を組み合わせて電気的に行うことにより,すなわち低回転数域(低風速域)に有効な昇圧形の整流回路(三相倍電圧整流回路)と高回転数域(高風速域)に有効な三相ブリッジ整流回路を組み合せることにより,汎用の発電機を使用しても,広い回転数領域で効率よく風車最大出力が得られる新しい制御回路レス方式風力発電装置を開発した。また,本研究の制御回路レス方式発電装置において,広い回転数領域で風車の最大出力を得るには,三相倍電圧整流回路と三相ブリッジ整流回路のそれぞれの交流(発電機)側に挿入する2つのリアクトルのインダクタンス値の大きさが重要な要素になるので,パワーエレクトロニクス用のシミュレーションソフトPSIMを用いて,使用する三相同期発電機に最適なリアクトルのインダクタンス値を決定した。そして,シミュレーションで得られたインダクタンス値を用いて制御回路レス方式発電装置を製作し,風車の代わりに誘導電動機を用いて実験を行った。その結果,本風力発電装置は,制御回路を用いなくても,風車の最大出力特性である3乗曲線特性に追従する発電機出力特性が得られることを実証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で開発した出力電圧の異なる2種類の整流回路を用いた制御回路レス方式風力発電装置を製作し,発電機の出力特性が回転数の3乗曲線に近づいているか,風車の代わりに誘導電動機を用いた試験装置で実験を行った。その結果,本風力発電装置は,制御回路を用いなくても,風車の最大出力特性である3乗曲線に追従する発電機出力を取り出すことができることを実証できた。そして,ここまでの研究成果を電気学会に論文(ショトペーパー)投稿したところ,論文の掲載が決定したので,研究は順調に進展しているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の制御回路レス方式風力発電装置では,制御回路が不用となるため低コスト化が図れるという大きなメリットがあるが,リアクトルを用いるため力率が悪くなり,その結果,発電効率も悪くなるというデメリットがある。そこで,今後は本発電装置の力率を改善し,発電効率の向上を目指す。また,本発電装置を風車に取り付け実証試験を行い,その有効性を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
金額が小さく,研究に必要な物品が購入できないため。 次年度の予算に組み入れて使用する。
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Research Products
(3 results)