2015 Fiscal Year Annual Research Report
磁歪材料を用いた低周波振動対応型環境発電における設計指針の標準化
Project/Area Number |
25420925
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山本 佳男 東海大学, 工学部, 教授 (20272114)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エナジーハーベスト / 振動発電 / 磁歪材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主としてランニングシューズのヒール部分に内蔵可能な超磁歪発電機の開発に取り組んだ。従来型の発電機は縦置きタイプで鉛直方向に振動を受けるものが普通であるが、シューズの空間的制約からコンパクト化した発電機をヒール内部に横置きにした上で、鉛直方向に加わる踏圧力を発電機に伝達する必要がある。したがって外部から加える衝撃力の方向を鉛直方向から水平方向に変換するための伝達要素について検討を行った。さらにより効率的な発電を実現するため、ピックアップコイルの材質(銅とアルミ)および磁気回路の構成(閉磁回路と開磁回路)について、最適な組合せを求めて比較実験を行なった。使用したコイルの巻数はいずれも1064巻、インダクタンスは銅コイルが6.58mH、アルミコイルが6.64mH、インピーダンスは銅コイルが4.13Ω、アルミコイルが4.17Ωである。コイルの重量は銅が45.0gに対しアルミは13.6gであり、装置の軽量化にはアルミが非常に効果的であることが分かる。発電実験では磁歪発電機を縦置きにして、鉛直上方の一定高さ(100mm、200mm)より約16gの鉄球を落下衝突させて、その際にピックアップコイルに発生する電圧と電流波形を計測し比較を行なった。その結果、瞬間最大電力を比較した場合、銅コイルはアルミコイルに比べて約20%大きい値を示していた。さらに、閉磁回路と開磁回路を比較した場合、銅コイルの場合もアルミコイルの場合も開磁回路の方が大きな瞬間最大電力を得られる結果を得た。一般的に、閉磁回路は磁力線を封じ込めて漏れ磁束を低減する効果が見込まれることから、開磁回路に比べてより発電効果が大きいと考えられるため、実験過程に不備がなかったか、この点については今後の検討を要する。
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