2014 Fiscal Year Research-status Report
背側海馬と腹側海馬の活性化に応答する脳領域の特定とその活動解析
Project/Area Number |
25430011
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高田 則雄 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (50415212)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海馬 / マウス / fMRI / 機能的MRI / 光遺伝学 / オプトジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、背側海馬と腹側海馬の機能の違いが、海馬から他の脳領域への活動伝播の違いに反映されているか検証することである。そのために本課題では、初年度に確立した光遺伝学的fMRI(optofMRI)を行った。具体的には海馬CA1領域の興奮性神経細胞に、階段関数型の光感受性陽イオンチャネル ChR2(C128S)を発現させた、麻酔下の遺伝子改変マウスを用いて、機能的MRI(fMRI)撮像を行っている最中に、海馬の背側あるいは腹側へ光照射することで海馬神経細胞を活性化し、これに応答する脳領域(場所)を特定した。この結果、背側海馬と腹側海馬を活性化した時に応答する脳領域が異なることを見出した。興味深いことに、海馬の遠心性軸索線維の多寡と、海馬活動に応答する脳領域とは必ずしも対応していなかった。対応が見られた脳部位は、海馬台や嗅内皮質である。つまり海馬からの神経線維を強く受け取る脳領域であるそれらの脳領域は、海馬活性化に対して強く応答(BOLD信号)した。この一方で海馬歯状回やCA3領野は、海馬CA1錐体神経細胞から直接の神経線維投射を受けないにも関わらず強い応答を示した。また、外側中核は背側海馬と腹側海馬の両方から同程度の神経線維を受け取ることが知られているが、BOLD応答を示したのは腹側海馬活動に対してだけだった。以上の結果は、脳のある部位が活性化した時に、大きな影響を受ける脳部位を予測するには神経線維投射の知識だけでは十分でないことを示唆する。以上の結果を論文として発表した(10.1371/journal.pone.0121417)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の第一目標である背腹海馬活性化時の全脳応答の計測に成功し、論文発表できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
論文発表したデータは麻酔下のマウスから得られたデータである。ヒトのfMRI撮像は覚醒下で行われることがほとんどである。そこで覚醒マウスからのfMRI計測系を立ち上げる。
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[Journal Article] Astroglial glutamate transporter deficiency increases synaptic excitability and leads to pathological repetitive behaviors in mice2015
Author(s)
Tomomi Aida, Junichi Yoshida, Masatoshi Nomura, Asami Tanimura, Yusuke Iino, Miho Soma, Ning Bai, Yukiko Ito, Wanpeng Cui, Hidenori Aizawa, Michiko Yanagisawa, Terumi Nagai, Norio Takata, Kenji F. Tanaka, Ryoichi Takayanagi, Masanobu Kano, Magdalena Götz, Hajime Hirase, Kohichi Tanaka
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Journal Title
Neuropsychopharmacology
Volume: -
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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