2014 Fiscal Year Research-status Report
Phox2b-EYFP及び光感受性イオンチャネル導入ラットを用いた呼吸中枢の解析
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25430012
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鬼丸 洋 昭和大学, 医学部, 客員教授 (30177258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Phox2b / EYFP / 中枢化学受容器 / トランスジェニックラット / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
転写因子Phox2b遺伝子は,CO2感受性を持つ腹側延髄呼吸性ニューロン(pFRG)に特異的に発現する.本研究の目的は,Phox2b遺伝子の発現制御領域下に蛍光タンパク質(EYFP)を発現させたトランスジェニック (Tg) ラットおよび,光感受性イオンチャネルを発現させたTgラットを用いて,延髄呼吸中枢の神経回路の動作特性を明らかにすることにある.現在,昭和大学実験動物センターにおいて,Phox2b_EYFP-2A_CreERT2 RecBACトランスジェニックラット(Phox2b-EYFP-Cre),Phox2b_tTA-2A-Cre RecBACトランスジェニックラット(Phox2b-tTA-Cre),ROSA26/CAG-floxedSTOP-tdTomato BACトランスジェニックラット(R26CAGsTomato),などのトランスジェニックラットを維持管理している.26年度は,Phox2b-EYFP-CreとR26CAGsTomatoの掛け合わせ,及びPhox2b-tTA-Cre とR26CAGsTomatoの掛け合わせによって生まれる新生児ラット脳の組織学的解析により,EYFP, Tomato などの蛍光タンパク質が Phox2b陽性細胞に選択的に発現していることを確認した.さらに、Phox2b_EYFP-2A_CreERT2 RecBACトランスジェニックラットの新生児から,脳幹-脊髄を摘出し,呼吸中枢の活動を調べると同時に,延髄吻側部の傍顔面神経呼吸グループ(pFRG)から,吸息先行型(Pre-I)ニューロンを細胞内記録した.これらのニューロンがTTX存在下で高CO2に対し脱分極応答を示し,EYFP陽性,Phox2b陽性であることを確認した.また,pFRGにおける神経活動を,コンフォーカルレーザー顕微鏡を用いたカルシウムイメージングにより調べ,EYFP陽性細胞との関連を検討し,多くのEYFP陽性細胞がPre-Iニューロンであることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Phox2b-EYFP-トランスジェニックラットの基本的性質の解析はほぼ順調に進んでいる(論文revise中).ただし,カルシウムイメージングについては,カルシウム感受性色素Fluo-8の傾向波長とEYFPの傾向波長が近いために,カルシウム感受性色素としてRhod-4を使用して解析を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,カルシウムイメージングをさらに進展させ,pFRGにおける詳しいバースト形成機構を解明する.また,光感受性チャネル(Arch)を発現したトランスジェニックラットが出来上がり,今後,Phox2b-Creラットと掛け合わせ,生まれてくる新生児ラットを用いて,オプトジェネティクスを用いて,呼吸リズム形成の神経機構の解析を行う.
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Causes of Carryover |
2015年3月21-23日に開催された日本生理学会に出席したが,その費用の支払いが,年度末でできなかったため,次年度に持ち越した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の支払いは今年度行う.
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Research Products
(13 results)