2015 Fiscal Year Annual Research Report
TET2重感染法(TEDI)を使った大脳皮質ニューロンの軸索側枝解析
Project/Area Number |
25430018
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡我部 昭哉 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (40290910)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | AAV / 逆行性ウイルス / 神経回路 / 遺伝子導入 / マーモセット / 大脳皮質 / 層構造 / 領野 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までにマウスにおけるTEDI研究を終了し、平成27年度は、霊長類への適用を目指した研究を行った。霊長類は、マウス、ラットに比べ非常に良く発達した前頭皮質を持っている。この領域に対してTEDIが適用できれば、霊長類の前頭皮質ニューロンのネットワーク解明に重要な情報が得られるものと期待できる。これまでにマーモセットに対して行った予備実験では、残念ながら2重感染がうまく成立しなかった。この最大の原因は、投射元と投射先が一致しなかったことだと考えられる。霊長類の前頭皮質は、皮質内外のさまざまな領域に投射する。そこで、まずはマーモセットにおいて、前頭皮質からの正確な投射マップを作製し、その情報に基づいた2点注入の戦略を計画する必要がある。以上の状況を踏まえて、本研究課題では、これまで培ったTETシステムや、ウイルスに関するノウハウを元に、効率的な順行性トレーサーの開発と、注入方法の改善に務めた。その結果、順行性ウイルストレーサーとしてよく使われるSynapsinI-EGFPよりも、強力にニューロン標識ができる、Clover (緑)、tdTomato(赤)、mTFP1.0(シアン)3色の標識システムを得ることができた。注入方法についても条件検討し、約1mm径で皮質カラムの方向に広がる注入方法を確立した。また通常の蛍光タンパクでは、シナプスと神経繊維の区別がつきにくいので、シナプスを効率的に可視化するVamp2-融合タンパクを発現するAAVベクターも作製し、約7倍シナプスに集積する率が高いことを確認した。現時点では、マーモセットにおけるTEDI実験には至っていないものの、複雑な前頭皮質結合ネットワークの一端が見えつつあり、今後の研究展開へつながる重要な知見を得ることができた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Long-Term Two-Photon Calcium Imaging of Neuronal Populations with Subcellular Resolution in Adult Non-human Primates.2015
Author(s)
Sadakane O, Masamizu Y, Watakabe A, Terada S, Ohtsuka M, Takaji M, Mizukami H, Ozawa K, Kawasaki H, Matsuzaki M, Yamamori T.
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Journal Title
Cell Rep
Volume: 13
Pages: 1989-99
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] In Vivo Two-Photon Imaging of Dendritic Spines in Marmoset Neocortex(1,2,3).2015
Author(s)
Sadakane O, Watakabe A, Ohtsuka M, Takaji M, Sasaki T, Kasai M, Isa T, Kato G, Nabekura J, Mizukami H, Ozawa K, Kawasaki H, Yamamori T.
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Journal Title
eNeuro
Volume: 2
Pages: pii
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Two-photon calcium imaging using genetically-encoded calcium indicator in primate neocortex2015
Author(s)
*O. SADAKANE1,2, Y. MASAMIZU3, A. WATAKABE1,2, S.-I. TERADA3,4, M. OHTSUKA1,2, M. TAKAJI1,2, H. MIZUKAMI5, K. OZAWA5,6, H. KAWASAKI7, M. MATSUZAKI3, T. YAMAMORI1,2;
Organizer
北米神経学会2015
Place of Presentation
シカゴ・アメリカ
Year and Date
2015-10-18 – 2015-10-18
Int'l Joint Research
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