2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍組織内血管周囲微小環境における腫瘍随伴マクロファージの役割
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25430051
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 惇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80225862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 英明 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40282389)
本間 琢 日本大学, 医学部, 助教 (00307852)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミクログリア / マクロファージ / グリオーマ / 腫瘍随伴マクロファージ / 血管新生 / 微小血管増殖 / M1マクロファージ / M2マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度我々は、ヒトglioblastoma (GB)組織内の微小血管増殖(microvascular proliferation: MVP)および血管新生におけるtumor-associated macrophage (TAM)の役割・機能をより詳細に分析するために2つの検索法、すなわち、1)TAMと血管新生の定量的・統計学的解析、2)TAMと増殖血管の3次元的解析を行った。方法:GB30例のパラフィン包埋組織において、各種マクロファージマーカー(Iba1, CD163, CD204, MHC class II)、CD34抗体を用いた酵素抗体法を行った。マクロファージマーカー染色標本では、定量解析ソフト(Winbiff)を用いてMVP領域における各種抗体陽性細胞の陽性率を定量的に解析した。さらに、CD204陽性TAMとCD34陽性血管内皮細胞の陽性率をGB腫瘍組織の内部と周囲非腫瘍部とで比較検討した。増殖血管構造の立体解析にはIba1染色標本入力後にImage JとINTAGE Rearia Profesisonalソフトを用いた。結果:1)MVP周囲ではIba1陽性のTAMが多数浸潤しており、陽性発現率は、CD204、CD163, MHC class IIの順となった。2)CD204陽性率とCD34陽性率はともに非腫瘍部と比較して腫瘍組織内部で優位に増加していた。3)三次元的に、TAMはMVP血管壁の外側から周囲にかけて相互に接する様に認められた。結論:本研究は、M2マーカーを発現するTAMはGBのMVPと血管新生で重要な役割を果たす可能性を示した。さらに、TAMはMVP内外でpericyte-like cellやglioblastoma cellと接触する形式で相互作用を示す可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)