2015 Fiscal Year Research-status Report
脊髄性筋萎縮症SMAと筋萎縮性側索硬化症ALSに共通するRNA代謝異常
Project/Area Number |
25430055
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
築地 仁美 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (40455358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内匠 透 国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, その他 (00222092)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ALS / スプライソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis, ALS)は、成人発症の運動神経変性疾患であり、進行性に運動ニューロンが変性脱落し、発症3-5年で死に至る神経難病である。有効な治療法がなく、早急は発症機構解明が望まれる。我々は昨年度までに、ALSと他の運動神経変性疾患である脊髄性筋萎縮症SMAとにおける共通のRNA代謝異常としてスプライソソームの異常を発見した。両疾患ではスプライシングを担う本体であるスプライソソームの異常と、スプライソソーム構成因子であるsnRNPの成熟の場である核内GEM小体の減少が起こっていた。よって、スプライソソームの正常化がALS治療の新しいターゲットとなる可能性がある。 また、家族性ALSの発症を引き起こす変異を持つFUSタンパク質を過剰発現させたALSモデルマウスを作製したところ、このマウスは神経異常を起こし、かつ脊髄運動ニューロンでは核内GEM小体の減少が起こることを確認した。よってALSおけるGEM小体の重要性が再確認された。FUSは正常では核に主に局在し、細胞質とシャトリングしているが、変異FUSは細胞質へ局在し、かつマウスの加齢に伴い凝集体を形成した。凝集体形成を引き起こしたFUSが毒性を発揮ししているのか、核からの減少により機能不全を起こしているのか、解析を続けている。現在、凝集体を精製し、結合しているタンパク質を同定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は順調に進み、成人発症の運動神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症と、小児発症の運動神経変性疾患である脊髄性筋萎縮症SMAとに共通するRNA代謝異常を発見し、学術論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
ALSモデルマウスを作製し、病態と発症機構を解析中である。
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Causes of Carryover |
消耗品の使用が少なかった
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
適切に使用する
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Establishment of In Vitro FUS-Associated Familial Amyotrophic Lateral Sclerosis Model Using Human Induced Pluripotent Stem Cells.2016
Author(s)
Ichiyanagi N, Fujimori K, Yano M, Ishihara-Fujisaki C, Sone T, Akiyama T, Okada Y, Akamatsu W, Matsumoto T, Ishikawa M, Nishimoto Y, Ishihara Y, Sakuma T, Yamamoto T, Tsuiji H, Suzuki N, Warita H, Aoki M, Okano H.
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 6(4)
Pages: 496-510
DOI
Peer Reviewed
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