2014 Fiscal Year Research-status Report
自然免疫系およびDock family分子の制御による多発性硬化症の治療研究
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25430082
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
郭 暁麗 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 主任研究員 (50443114)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / 視神経炎 / EAE / 細胞種特異的な遺伝子欠損マウス / ブリモニジン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は多発性硬化症における視神経炎の発症メカニズムの解明と共に、薬剤を利用した視神経炎の治療研究も行った。疾患モデルとして実験的自己免疫性脳脊髄炎(Experimental autoimmune encephalomyelitis: EAE)を活用した。ブリモニジンは最近発売になった緑内障点眼薬で、本研究では視神経炎に与える効果を調べた。ブリモニジンをEAEマウスに点眼したところ、視神経や脊髄における脱髄抑制作用は乏しいものの、網膜神経節細胞の保護作用があり、多局所網膜電位の計測によって、視機能の有意な改善が認められた(Guo et al., Neurosci Lett., 2015)。 また、我々の以前の研究からASK1欠損EAEの重症度の軽減が明らかになっていたが、このASK1欠損マウスでは全ての細胞からASK1が欠損しており、細胞種毎の影響をin vivoで観察するためには、細胞種特異的なconditional knockout (CKO)マウスの作製が必須となる。そこで新規にASK1flox/flox : GFAP-Cre mouse (アストロサイトからASK1遺伝子が欠損するマウス)、ASK1flox/flox : LysM-Cre mouse (ミクログリアからASK1遺伝子が欠損するマウス)、ASK1flox/flox : CD11c-Cre mouse(樹状細胞からASK1遺伝子が欠損するマウス)、ASK1flox/flox : Lck-Cre mouse (T細胞からASK1遺伝子が欠損するマウス)を作成し、各細胞種におけるASK1の働きをin vivoで詳細に検討した。その結果、アストロサイトやミクログリアにおけるASK1はEAEの重症度に関わり、樹状細胞やT細胞におけるASK1がEAEに与える影響はないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存薬剤のブリモニジンによる視神経炎治療の可能性を示唆した。また、我々は以前酸化ストレスの産生を抑制可能なspermidineの内服投与を行ったところ、EAEの軽症化が観察された(Guo et al., Invest Ophthalmol Vis Sci., 2011)。これらの成果はブリモニジン、spermidineなどによる、複数の既存薬剤の併用効果を示唆するものであり、今後の臨床応用が期待される。さらに4種類のASK1細胞種特異的なconditional knockout (CKO)マウスの作製やそれらのEAE phenotypeの解析が完了し、詳しいメカニズムの解析に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
我々のいままでの研究からASK1は炎症の他、軸索再生にも関わっていることが示唆された。今後はASK1細胞種特異的なconditional knockout (CKO)マウスのEAE のメカニズムを詳しく解析しながら、視神経挫滅における細胞種毎のASK1の機能を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
試薬の節約に成功したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品を中心に使用予定
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Research Products
(14 results)