2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン修飾によるインプリンティング遺伝子制御の解析と周産期致死疾患モデルの開発
Project/Area Number |
25430085
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成瀬 智恵 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30372486)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅秀 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50251450)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ヒストン脱メチル化 / マウス / ホメオティック変異 / HP1 / 神経幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒストン脱メチル化酵素因子およびヘテロクロマチンプロテイン1(HP1)の遺伝子変異マウスについて,さらに詳細な解析を行った。ヒストン脱メチル化酵素が限局されたHoxd遺伝子座にリクルートされ,Hoxd遺伝子の発現量を制御していることは昨年度までに明らかにしていた。しかし,一般的なHox遺伝子座にもヒストン脱メチル化酵素がノックアウトされた影響が及んでいるかどうかは明らかでなかったので,これまでに調べていた場所よりも上流にあるHoxd遺伝子と別のHoxクラスターであるHoxc遺伝子について,ヒストン修飾が変化しているかどうかを調べた。その結果,ノックアウトマウスにおいてはヒストンH3K27me3が除去されていないことが明らかになった。したがって,この脱メチル化酵素は,一般的にHox遺伝子の発現を制御している可能性が高いと考えられた。また,肋骨について,ホメオティック変異が起きているかどうか定量的に解析するため,筑波理研・若菜先生,田村先生との共同研究でマイクロCTを用いた肋骨の形態解析を行った。その結果,第一肋骨と第二肋骨は2つ,第三肋骨以降は1つずつ前方の肋骨と相似な形態を有することがわかり,ホメオティック変異が確かに起きていることを定量的に証明できた。現在,論文を投稿中である。 HP1遺伝子変異マウスが生後直後に死亡することや,大脳皮質および線条体の形成が不全であることから,神経幹細胞の遺伝子発現を調べ,発現量に変化の認められた遺伝子座について転写抑制および活性化ヒストン修飾を定量的に解析した。その結果,HP1変異細胞と野生型細胞とを比較して転写活性化ヒストン修飾に変化は認められなかったが,抑制ヒストン修飾全般に違いが認められた。これまで考えられていたHP1の機能とは異なる結果が得られた。現在論文投稿準備中である。
|
Research Products
(2 results)