2013 Fiscal Year Research-status Report
発光イメージング技術を利用した妊娠期における母体の骨調節機構の解析とその応用
Project/Area Number |
25430088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 友子 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (10344863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
初沢 清隆 鳥取大学, 医学部, 教授 (20256655)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オステオカルシン / 骨形成 / 妊娠 / ルシフェラーゼ / ホルモン |
Research Abstract |
我々はヒトオステオカルシンエンハンサー・プロモーター制御下でルシフェラーゼを発現するOC-Lucトランスジェニックマウスを作製し、発光を指標に骨形成活性を経時的に追跡できるシステムを構築している。今年度は妊娠・授乳期の母体において発光が変化することを見出したため、まずは母体における微小な骨形成活性の変化について解析を進めた。その結果、発光強度は、交配日と比べて、妊娠期に1.5倍から2倍近くまで増加し、出産により一旦減少したが、授乳開始から離乳までに約3倍にまで増加し、最高値を示した。その後発光強度は、仔マウスの離乳により急激に減少し、離乳後1カ月で妊娠時の値に戻った。妊娠および授乳期においては、骨組織のカルシウムの代謝が亢進することが報告されており、今回の結果は、OC-Lucマウスを利用して母体における骨形成活性の増加を追跡できること示唆している。次に、内在性のマウスオステオカルシンの骨組織における発現変化および血中オステオカルシンの濃度をリアルタイムPCRおよびELISAで解析し、母体の発光変化との関連を解析した。しかし、骨組織における発現変化および血中オステオカルシンの濃度の間には相関が認められたが、ルシフェラーゼの発光変化とは相関が認められなかった。また、妊娠・出産・授乳において血中濃度に変化が認められるエストロゲン、プロラクチン、プロゲステロンなどのホルモンを、内在性ホルモンの影響を排除するために卵巣切除を施した雌マウスに投与し、発光変化を解析することでそれらの発光変化に及ぼす影響を解析したが、ホルモン投与により発光強度に顕著な変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
発光変化と妊娠期ホルモンとの関連については、予定通り進行している。ただ、妊娠期の母体発光変化における妊娠期ホルモンを介した調節に関して、解析に予想外に時間がかかったため、母体マウスの発光変化を制御する遺伝子のスクリーニングに関する実験計画がずれ込んでいることから、研究の進行はやや遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、妊娠期の発光変化を制御している遺伝子のスクリーニングを進めるとともに、母体発光と胎児発生との関連についても解析を進めていく予定である。
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[Journal Article] In vivo determination of vitamin D function using transgenic mice carrying a human osteocalcin luciferase reporter gene.2013
Author(s)
Nakanishi, T., Saito, R., Taniguchi, M., Oda, H., Soma, A., Yasunaga, M., Yamane, M., Sato, K.
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Journal Title
BioMed Res. Int.
Volume: 2013
Pages: 895706
DOI
Peer Reviewed
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