2014 Fiscal Year Research-status Report
ピロリ菌感染により幹細胞レベルで誘発されるメチル化の同定
Project/Area Number |
25430127
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
浅田 潔 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (50311410)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / 胃粘膜幹細胞 / ピロリ菌 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、除菌後に存在するDNAメチル化異常は幹細胞レベルで誘発されたものであることを示し、幹細胞レベルで誘発されたDNAメチル化異常の量が発がんに重要であることを明らかにすることを目的とする。 特定遺伝子のDNAメチル化を組織レベルで観察することはできない。そこで、これまでに見出したDNAメチル化の存在と発現の消失が1:1で対応するX染色体上の遺伝子 (SMARCA1, FHL1, MAOA, MAOB, CXorf26等)を利用する。 胃がん切除症例の胃粘膜を用いて、上記遺伝子の免疫組織染色を行う。 幹細胞レベルで誘発されたDNAメチル化異常は腺管全体に存在する (従って腺管全体で発現消失)一方、前駆細胞レベルで誘発されたDNAメチル化異常は腺管の一部に存在する (従って腺管の一部で発現消失)ことが予測される。除菌後の症例では前者の染色パターンが観察され、感染中の症例では後者のパターンになることを示し、幹細胞レベルで誘発されたDNAメチル化異常の重要性を明らかにする。 昨年度はFHL1の免疫組織染色を試みた。その結果、粘膜筋板は強く染まったが腺管上皮の染色は弱く、上記の染色パターンは得られなかった。今年度はSMARCA1に着目した。研究協力者の竹島らは、本研究とは別に、SMARCA1が正常胃腺管で発現していること、複数の胃がん細胞株ではメチル化サイレンシングしていることを報告した (Takeshima, Cancer Lett, 357:328, 2015)。そこで、免疫組織染色の準備として、胃がん細胞株AGS (メチル化(+))、TMK1 (メチル化(-))を用いてSMARCA1の免疫染色を行い、良好な染色結果を得た。今後は胃粘膜を用いた免疫組織染色を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
免疫染色について、最適な遺伝子の選定が難しい。定量的RT-PCR、ウェスタンブロット等にて発現は確認しても、免疫組織染色に適した抗体の選択が困難を極める。 検体収集について、胃がんによる手術検体の非がん部を用いているが、ほとんどがピロリ陽性検体で、ピロリ陰性検体の収集が困難である。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫染色について、当初は、遺伝子毎に免疫染色、in situハイブリダイゼーションの順で進める予定であった。しかしながら、操作の効率化のため、まずは免疫染色のみを各遺伝子について施行する。 胃粘膜検体収集について、ピロリ菌陰性検体の収集は依然として困難である。しかしながら、免疫染色の候補遺伝子の選定が難航しているため、検体収集は現状維持を目指し、免疫染色の促進に注力する。
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Causes of Carryover |
免疫染色に最適な遺伝子選定が困難なため、抗体購入、及び染色に関連する諸費用の次年度使用が必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体の購入や、切片の作製等、免疫染色にかかる諸経費に使用する予定。
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