2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規バイオマーカーAPC結合蛋白EB1の肝細胞癌発癌進展における分子機構の解明
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25430134
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中西 一彰 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (80374338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 英樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (70399947)
柿坂 達彦 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究助教 (40583092)
神山 俊哉 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80322816)
武冨 紹信 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70363364)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | EB1 / 肝細胞癌 / 増殖 / 浸潤 / 予後予測因子 / 再発予測因子 / Dlk1 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】proteomics解析にて正常肝細胞株と比較して肝細胞癌株でAPC binding protein EB1が高発現していることを明らかにした。EB1は腫瘍制御タンパクであるAPCと結合するタンパクとして発見され、その後微小管の伸長端に特異的に局在し動的不安定性を制御するのに重要なタンパクであることが知られているが、肝細胞癌におけるその役割は明らかとなっていない。 【目的】肝細胞癌におけるEB1の役割を解明する。 【対象・方法】(1)235例の初発肝細胞癌根治切除症例を対象に免疫組織化学的解析を行い、EB1の発現と臨床病理学的因子・予後・再発との関連を検討する。(2)肝細胞癌株を用いてEB1の発現をsiRNAやshRNAでknockdownあるいはCRISPR/Cas9技術でknockoutし、細胞の増殖能・浸潤能アッセイを行う。(3)EB1をknockoutした細胞株にlentivirusを用いてEB1を再発現させ、それにより変動する遺伝子群をmicroarry解析で網羅的に探索する。 【結果】(1)EB1の発現は分化度、Alpha-fetoprotein、門脈浸潤といった臨床病理学的因子と有意な相関関係を示した(各P<0.05)。EB1高発現群では予後が有意に不良(P<0.0001)であり、再発率も有意に上昇していた(P<0.0001)。(2)siRNAやshRNAでEB1の発現を抑制すると、HLF、HLE、HuH7においては増殖能・浸潤能が有意に低下した(P<0.05)。EB1-knockout HuH7ではEB1を再発現すると、増殖能・浸潤能が有意に上昇した(P<0.05)。(3)microarray解析では21の遺伝子が有意に発現上昇し、その中で肝癌細胞の発癌に関与するDlk1がもっとも大きく変動していた。タンパクレベルでの発現上昇も確認できた。
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Research Products
(3 results)