2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型を用いた前立腺癌に対するドセタキセル療法効果予測法の構築
Project/Area Number |
25430138
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
高田 亮 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00438467)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / ドセタキセル / 遺伝子多型 / 感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
去勢抵抗性前立腺癌に対する標準的な治療法であるドセタキセルの感受性に関連する遺伝子多型(一塩基多型:SNP)を同定すべく研究を継続した。 本年度は本学および関連・協力施設において去勢抵抗性前立腺癌と診断され、ドセタキセル療法を施行された新規10症例より血液を採取。血液中のゲノムDNA を抽出した。この10症例を用いて昨年度に同定したドセタキセル治療と関連を示す可能性のある4SNPの関連解析をおこない、感受性と関連する可能性が高くなった=統計学的なp値が低くなったことを確認した(Bonferroni補正によるp値は満たせず)。また、これまでに採取した去勢抵抗性前立腺癌55症例について、投与3ヶ月間のドセタキセル総投与量および体表面積あたりの投与量を調査。この投与量を共変数として各SNPの感受性との関連を再検討したが、有意差の改善には至らなかった。さらに、この4SNPを優性・劣性モデルに合わせて、リスクアレルを持つ場合を1点、持たない場合を0点とし、各症例を0-4点に振り分けると、0-3点の低スコア群と4-5点の高スコア群で有意にドセタキセルの感受性が異なることを同定した。 本研究を通して、「3か月以内に30%以上のPSA低下」を基準としたドセタキセルの感受性と関連する可能性のある4SNPが同定された。この4SNPを組み合わせることで、ドセタキセルの感受性を投与前に予測できる可能性も実証され、今後この感受性予測法の確立によって去勢抵抗性前立腺癌患者の適切な治療選択に有用となることが期待された。
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Research Products
(5 results)