2014 Fiscal Year Research-status Report
新しい網羅的遺伝子解析を用いた食道癌化学放射線療法耐性遺伝子の解明
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25430159
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川久保 博文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20286496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 哲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80327543)
筒井 麻衣 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90573460)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トランスポゾン / 食道癌 / 抗癌剤耐性遺伝子 / シスプラチン耐性 / JAK2 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌細胞にトランスポゾンを導入することで、抗癌剤耐性遺伝子を増幅させ、抗癌剤暴露環境下で培養し作成した抗癌剤耐性株のDNA解析を行うことで、耐性遺伝子を特定することが可能となる。 このシステムを用いて、食道癌細胞株TE4,5,9,15について樹立したtransposon tagged cellを用いて各種抗癌剤に曝露させ、STE4,15についてシスプラチン耐性株を獲得し、TE4について5-FU,ドセタキセル耐性株を獲得した。耐性コロニーを単離培養した後DNAを抽出し、トランスポゾンにより挿入された箇所を制限酵素処理にて切り出し、Splinkerette PCRにてDNAを増幅させ、プラスミドベクターを用いて大腸菌内でさらに増幅させた。続いて、増幅したDNAの塩基配列を同定し、Basic Local Alignment Search Tool (BLAST)を用いて遺伝子を同定した。複数の耐性コロニーから同様にDNAを抽出して発現遺伝子を解析する。複数の耐性コロニーで共通して発現している遺伝子であれば、投与薬剤に対する耐性遺伝子である可能性が高いと考えられる。シスプラチン耐性遺伝の候補としてJAK2(janus kinase2),SSRP(signal sequence receptor, gamma),MDRP(multi drug resistant protein)をはじめとした遺伝子を確認した。 このJAK2遺伝子に着目し、シスプラチン耐性遺伝子としての検証した。シスプラチン耐性株においてPCRを行い、耐性株でNDA量の低下を認めた。さらにshRNAによるJAK2遺伝子サイレンシング細胞株の樹立に関する検証を行っており、これによりJAK2遺伝子のkock down株でもシスプラチン耐性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本システムはトランスポゾンを使用した抗癌剤耐性遺伝子を網羅的に解析するシステムであるが、いくつかの候補遺伝子が発見された。実際にその遺伝子の導入によって抗癌剤耐性を獲得したことから、本システムがスクリーニングシステムとして正常に機能していることが証明された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vivoの研究を進めていく。それぞれの抗癌剤耐性株および野生株をそれぞれマウスに移植し、実際に抗癌剤をマウスに投与し野生株、耐性株の抗癌剤感受性を比較検証する。さらにそれぞれの耐性遺伝子の耐性の獲得のメカニズムを解明していく。 過去の臨床検体を用いて、それぞれの遺伝子発現と実際の化学療法の効果とを比較して、その遺伝子が化学療法の効果予測のsurrogate markerになり得るかを検証する。
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Causes of Carryover |
今年度に動物実験をする予定であった、来年度に施行することになっため、当初の予定より支出が減少したため。また、学会参加費などを次年度に使用することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はマウスを用いたin vivoの実験を施行する予定であり、マウスを購入予定である。また、研究成果を学会で報告するため、旅費として使用する予定である。
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