2015 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンシングによるヌタウナギの生殖細胞と体細胞の比較ゲノミクス
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25430172
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
久保田 宗一郎 東邦大学, 理学部, 教授 (30277347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 友二 東邦大学, 理学部, 講師 (70362522)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 染色体放出 / 全ゲノム解析 / ヌタウナギ / 次世代シーケンサー / 比較ゲノミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ヌタウナギの体細胞ゲノム及び生殖細胞ゲノムについて全塩基配列決定を目指していたが、経費不足から初年度は体細胞ゲノム(ペアエンド)を優先し、翌年度に残りの予算を使ってその続きを行う予定であった。しかし、平成26年度の「新学術領域 ゲノム支援」に採択され、メイトペア・データを含めた解析が可能となったので、残った全予算で生殖細胞ゲノムの全塩基配列決定を行った。 体細胞ゲノムは、上記(ペアエンド:286.9Gb)のデータに加え、ゲノム支援によるデータ(3,5,8,10kbのメイトぺア配列)についてアセンブルを実施し、Scaffold(>500bp) 94,650 本、全長 1.71 Gbという結果が得られた。一方で生殖細胞ゲノムのアセンブル結果は、Scaffold(>500bp) 83,538 本、全長1.6 Gbとなった(ペアエンド:321.2Gb、ゲノム支援による3,5,8,10,12,15,18,20kbのメイトぺア配列で実施)。このドラフトゲノム構築の結果は、体細胞の方が生殖細胞よりもやや大きいという、想定とは大小関係が逆転した。k-mer (k=32) 頻度分布の結果、生殖細胞におけるリピート配列率は体細胞より大きく0.426と既知の他種ゲノムを凌駕しており、これがアセンブルの障害となったと考えられた。そこで、k-mer (k=40) 頻度分布からドラフトゲノムにNが含まれる割合を推定し、それをもとにゲノムサイズを再度推定した結果、体細胞ゲノムは1.77 Gb、生殖細胞ゲノムは2.09 Gb となり、想定ゲノムサイズ(1.70、2.17Gb)に近似した。今後は、取得済みの体細胞と生殖細胞のRNA-seqデータをそれぞれのゲノムデータ上にマッピングし、転写領域のアノテーション作業を行った後、生殖細胞ゲノムと体細胞ゲノムの比較解析を行い、この成果を発表する。
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