2013 Fiscal Year Research-status Report
ミヤコグサ親和性エンドファイトによる共生システムの情報基盤形成
Project/Area Number |
25430175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
金子 貴一 京都産業大学, 総合生命科学部, 准教授 (80370922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修正 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (70370921)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミヤコグサ / 共生 / 根粒菌 / ゲノム / エンドファイト |
Research Abstract |
KAW12ゲノムの一次配列データは、454-GS-FLXにより698,675 reads(3 kbメイトペア法)を取得した。gsAssemblerを用い、データのアセンブルをおこなうことで91 contigs、7 scaffoldsを達成し、合計長7.8 Mbのコンセンサス配列を得た。また、このドラフトゲノム配列の制限酵素認識部位とゲノムDNA制限酵素切断片のパルスフィールドゲル電気泳動パターンの対応から、KAW12ゲノムは3つの複製単位(4.8 Mb、2.5 Mb、0.6 Mb)から構成されることを明らかにした。4.8 Mbの複製単位が主染色体であり、3コピーのrRNA遺伝子クラスターを保有している。ドラフトゲノム塩基配列上にはMetaGeneAnnotatorにより7574タンパク質コード領域を予測し、予測遺伝子産物についてデータベースへの類似情報をもとに仮のアノテーションを行った。これらの情報は、ミヤコグサ-エンドファイト共生における宿主応答研究の基盤データとして、京産大、かずさDNA研、東北大、オーフス大で共有している。さらに、ゲノムの大部分の領域をカバーすることを目的とし、3072 クローンのコスミドライブラリを構築した。クローンインサートサイズは約30 kbであることから、これらのクローンセットはゲノムの約11倍重複度を達成していると予想される。コスミドクローンはゲノム情報を利用した機能解析のリソースとして活用できるため、ライブラリのレプリカを作成し、ナショナルバイオリソースへ寄託した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究は、菌株の入手、培養、ゲノムDNA調製、次世代シーケンサーによる1次データの取得、ドラフトゲノム配列の構築、ドラフトゲノム配列の制限酵素地図によるscaffolding、仮の遺伝子予測とアノテーション、共同研究者間の情報共有を計画していたが、いずれも達成することができた。計画に先行し、コスミドライブラリの構築にも着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
コスミドライブラリの3072 クローンは、全てDNA調製を行ない、インサート両末端の配列解析をおこなう。末端配列は、コンティグへのマッピングをおこない、ミスアセンブルによるcontig/scaffoldの矛盾点を検証する。もし、問題が見つかった場合には、プロジェクトファイルの手動解析をおこない、アセンブルデータの再配置により解決する。再配置にはConsedを用いる。再配置の過程で、sequence gap領域の確定、repeat領域の解決を並行して行なう。コンティグ間の配列ギャップは、コスミドクローンDNAを鋳型として用い、プライマーウオーキングにより完全ゲノム配列を作成する。ゲノム配列確定後に遺伝子予測、アノテーション、確定配列へのコスミドクローンのマッピングを行ない、DDBJへのデータ登録と同時に、RhizoBaseでのデータ公開準備を進める。 KAW12のゲノム構成については、近縁根粒菌ゲノムとの比較を進め、両者の共通点と相違点について検討をおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度行った解析から、対象菌株のゲノムサイズが、予想より約x1.2大きいことが明らかになった。その影響から、配列決定のための問題領域が予想より多い。そこで、コスミドライブラリサイズを増やし、問題領域解決対策のための配列解析用消耗品に関わる費用を確保するため、平成25年度経費、約20万円を平成26年度に繰り越しを希望する。 3072 コスミドクローンのDNA調製を行ない、インサート両末端の配列解析をおこなう。末端配列は、コンティグへのマッピングをおこなう。アセンブルデータ検討にはConsedを用い、sequence gap領域の確定、repeat領域の解決を並行して行なう。コンティグ間の配列ギャップは、コスミドクローンDNAを鋳型として用い、プライマーウオーキングにより完全ゲノム配列を作成する。これらの解析に関わる消耗品に助成金を充当する。
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