2013 Fiscal Year Research-status Report
家族性及び同胞癌症例ゲノム解析による遺伝性癌原因遺伝子の同定とその応用
Project/Area Number |
25430180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
久木田 洋児 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 研究員 (60372744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 菊也 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 研究所長 (60194809)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 疾患関連遺伝子 / 癌 |
Research Abstract |
様々な疾患に対する個別化医療の実現と普及には病因の特定とそれに続く発症・進行機序の理解や診断・治療法の開発が必須である。本研究では臨床所見に基づいて収集された特徴ある遺伝性癌症例の全エキソーム解析を行うことによりその発癌原因遺伝子異常を同定し、それを起点にした癌診断法の開発や発症・進行機序の理解を深めることを目指す。平成25年度は臨床的に特徴のある遺伝性癌症例の収集とその一部の症例の全エキソーム解析を主に行った。 収集している胃癌2家系を解析した。1家系は若年発症患者を有し、患者の両親の両家系に胃癌患者が1人または複数人発症していた。この家系からは患者本人とその両親を、もう一方は家系内に複数の胃癌患者を有していたが、患者本人のみをエキソーム解析した(シーケンス読み取り深度は平均92倍)。シーケンスリード数を使ったエキソン領域の染色体数異常解析では両家系に異常は検出されなかった。ヒト多型データベースに無いアミノ酸変化を伴う変異は各人約300個ずつ検出された。親子を解析した胃癌家系には常染色体劣性遺伝形式に従う変異が6遺伝子上に検出されたが、癌関連遺伝子として知られているものではなかった。もう1家系の胃癌患者にも癌と強い関連のある異常は見つかっていない。肉腫を発症している家系症例からは血液試料を収集し、DNAを抽出した。また、1症例については肉腫組織も収集した。 エキソーム解析と並行して、癌バイオマーカー開発に必要な、血液中や癌組織中に微量に含まれる癌細胞由来の変異DNA配列を高精度で検出する方法の開発を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胃癌症例のエキソーム解析では発癌の原因として強く疑われるような配列異常が見つからなかった。肉腫症例については、非タンパク質コード領域の情報も得るために全ゲノムシーケンスで解析することにしたので、エキソーム解析を行わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
エキソン以外の配列構造異常を検出するために全ゲノムシーケンスを行う。発癌原因候補異常の絞り込みには、大規模癌ゲノム研究(国際癌ゲノムコンソーシウムなど)から公開されつつある情報も利用する。また、癌バイオマーカー開発に必要な高精度微量変異検出法の開発を推進する。
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Research Products
(2 results)