2015 Fiscal Year Annual Research Report
AID依存性RNA編集により誘導される、トポイソメラーゼ1を介したゲノム不安定性
Project/Area Number |
25440007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 牧 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20400690)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トポイソメラーゼ1 / ゲノム不安定性 / 免疫グロブリン遺伝子 / AID |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間中にTop1 mRNAの3'UTR部分のノックアウト細胞(CH12細胞由来)をターゲティングベクター3種類を用いるCRISPR/CAS9により完成した。CH12細胞ではTop1遺伝子が3アリル存在し、順次3回のノックアウト手技が必要であった。ノックアウト細胞はTop1タンパク質のAID誘導性の低下が起きず、クラススイッチの度合いも低いことが期待された。ポリソーム分画法により解析したところ、Top1mRNAレベルが総じて高いこと、高度翻訳領域のTop1 mRNAの分布が増加していたことから、実際にTop1の翻訳レベルが高いことが予測された。それにもかかわらず、非刺激状態でのTop1タンパク質の蓄積はなく、AID誘導性のTop1低下も認められなかった。クラススイッチの度合いも野生型の細胞と遜色がなく、AIDによるmiRNAの結合は、Top1 mRNAのコード領域に起きている可能性が考えられた。現在、Ago2の結合が3'UTRノックアウト細胞で起きているか否かを追跡して解析している途中である。 一方、Top1の特定リジン残基のsumo化が、Top1の分布に影響を与えることが他のグループから報告され、RNAすなわち転写領域へのTop1の分布のみがAIDにより制御されている可能性が出てきた。これを検証するために、Top1の発現量が低いp388/CPT45細胞株へsumo化変異体を導入する実験を追加している。 miR-92aはAIDの存在下でCSRやSHMの効率を高めていたが、AID無しでDNA切断を起こすか否かを検討した。SHMは頻度は低いものの、AIDノックアウト細胞でも免疫グロブリン遺伝子のS領域にSHMを起こした。これを更に検証するために、cMyc-IgH間の転座へのmiR-92aの効果についても検討中である。
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[Journal Article] LSD1/KDM1A promotes hematopoietic commitment of hemangioblast through downregulation of Etv22015
Author(s)
Miki Takeuchi, Yuji Fuse, Mana Watanabe, Christina-Sylvia Andrea, Miho Takeuchi, Hitomi Nakajima, Ken Ohashi, Hiroshi Kaneko, Maki Kobayashi-Osaki, Masayuki Yamamoto, Makoto Kobayashi.
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Journal Title
PNAS USA
Volume: 112
Pages: 13922-7
DOI
Peer Reviewed
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