2015 Fiscal Year Annual Research Report
気孔の数を調節するシグナルが細胞の外から内へ伝達される仕組み
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25440017
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大木 進野 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 教授 (70250420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正之 石川県立大学, 生物資源工学研究所, 准教授 (00320911)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 気孔 / ペプチドホルモン / 受容体 / 試料調製 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度(平成25年度)には、大腸菌と植物培養細胞BY-2を利用した膜タンパク質TMMとERECTAの研究用試料を発現するシステムを確立した。それぞれ、幾つかの異なる領域を発現する系を構築した。また、これらを精製する方法も確立することができた。しかしながら、構造解析のために精製した試料の濃度を上げていくことが困難を極めた。試料が比較的低濃度の段階から、そのNMRスペクトルは分子がアグリゲーションを起こしていることを示していた。このため、円二色性スペクトルも含めて構造情報を取得するための分析を行うことができなかった。 2年目(平成26年度)にはこの状況を打開すべく、塩の種類と濃度、pH、温度など各種の条件を検討したが良好なコンディションを見いだすことが出来なかった。 最終年度(平成27年度)では、デタージェントの活用を試みた。DOPC(1,2-Dioleoyl-sn-glycero-3-phosphocholine), DHPC(1,2-diheptanoyl-sn-glycero-3-phosphocholine)等の両親媒性の分子やCOS(choline-O-sulfate; SIサイエンス社製)、stabil-PAC(コスモバイオ社製)など、各種のデタージェントの効果を検討した。その結果、有るフラグメントについては有望な条件を見いだすことができ、非標識体試料の2次元NMRスペクトルを測定することに成功した。NOESYスペクトル中には2次構造を示す典型的なクロスピークのパターンを確認することができ、試料が溶液中で安定な立体構造を保持していることが示唆された。以上より、本課題を通して溶液中での構造解析ならびに相互作用解析の条件がほぼ確立されたと言える。 本課題期間中には本格的な構造解析・機能解析に至らなかったが、今後の研究の進展を大いに加速させる基礎的な成果が得られた。
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