2015 Fiscal Year Research-status Report
X線結晶解析によるブルーム症候群BLMヘリカーゼのがん抑制機構解明
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25440024
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
北野 健 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (40346309)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タンパク質 / DNA / ヘリカーゼ / X線構造解析 / ブルーム症候群 / ラディキシン / マトリックスメタロプロテアーゼ / ホスホジエステラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
ブルーム症候群は,10 代にして様々な悪性腫瘍を頻発する高発がん性の病気 (常染色体劣性の遺伝病) である。二本鎖 DNA を一本にほどく (巻き戻す) ヘリカーゼの一種,BLM (Bloom syndrome protein) が変異によって機能欠損してしまうことで引き起こされる。本研究は,BLM タンパク質の立体構造研究を進めて,その優れたヘリカーゼ活性の仕組みに迫ることを目的としている。 今年度は,初年度に構造決定した BLM RQC (RecQ C-terminal) ドメインのX線結晶構造 (Kim et al., 2013, Sci. Rep. ; PDB IDs:3WE2 and 3WE3) と,前年度に作成した BLM ヘリカーゼとホリデイジャンクション (ゲノム損傷の修復中間体である十字型 DNA 構造) の複合体モデル構造(Kitano, 2014, Front. Genet.)を活用して,BLM ヘリカーゼが,入り組んだ形状の DNA を解きほぐす仕組みの解析を進めた。この結果,巻き戻しの困難な DNA も基質とできる立体構造上の仕組みが,RQC ドメインにあることが示唆された。 また,BLM の研究に加えて,他のタンパク質の構造研究も行った。マウス由来ラディキシン FERM ドメインと,膜型マトリックスメタロプロテアーゼ (MT1-MMP) 細胞質ペプチド複合体のX線結晶構造を,分解能 2.4 オングストロームで決定して,論文発表した (Terawaki et al., 2015, Genes Cells. ; PDB ID : 3X23)。一方で,創薬ターゲットとなり得るヒト由来ホスホジエステラーゼ-12 (PDE12) のX線結晶構造を,分解能 1.82 オングストロームで決定して,Protein Data Bank に登録し,一般公開した (PDB ID: 4ZKF)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BLM ヘリカーゼと DNA の複合体形成が,不安定なことが分かってきたので,その対策として,研究計画の見直しが必要になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で得られた成果を,国際学会や国内学会で発表する予定である。 また引き続き,新しい立体構造情報の取得を目指して,BLM ヘリカーゼの解析を進める。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会が,平成 28 年度の開催に延期になった。 また,BLM ヘリカーゼと DNA の複合体形成が,不安定なことが分かってきたので,その対策として,研究計画の見直しが必要になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後,未使用額の助成金は,研究成果を国際学会と国内学会で発表するための旅費,消耗品器具・試薬などの購入,科学雑誌で研究成果を論文発表するための出版料などに使用させて頂く予定である。
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