2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25440031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
池水 信二 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (60333522)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 構造生物学 |
Research Abstract |
T細胞は免疫応答を司る主要な細胞であり,抗原の種類に応じて適したT細胞サブセットに分化することにより,抗原に適した免疫応答を誘導する.T細胞分化にはサイトカイン等が関わっており,1型ヘルパーT細胞への初期の分化にはIL-27が,Th17の悪性化にはIL-23が関わっている.IL-23およびIL-27とこれらの受容体の認識機構を解明し,T細胞制御機構を構造生物学的に解明することが本研究の目的である.IL-23受容体は,IL-23に特異的なIL-23RとIL-12と共有されるIL-12Rβ1からなる.また,IL-27受容体は,特異的なWSX-1とIL-6等と共有されるGP130からなる.IL-23とIL-27はヘテロ2量体サイトカインであり,IL-23に構造は既知であるが、IL-27の構造は未だ明らかにされていない.また,これらのヘテロ2量体のサイトカインと受容体の複合体の構造は何れも明らかにされておらず,これらのサイトカインと受容体の認識機構の詳細についても未知である.本研究の目的は,IL-23およびIL-27とこれらの受容体の複合体の構造解析を行い,認識機構を明らかにすることである. IL-12Rβ1の調製法を確立して,得られた試料がIL-23と結合することを確認した.IL-23Rについては,様々は細胞を用いて発現を試みているが,未だ成功していていない.今後,IL-12Rβ1のミリグラムオーダーの調製を行い,IL-23/ IL-12Rβ1複合体として調製を行い,構造解析を行いたい.IL-27については動物細胞を用いて,WSX-1については大腸菌を用いた発現法を確立し,これらの試料が結合することを確認した.今後,複合体として調製して,構造解析へと研究を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
WSX-1の精製・結晶化 WSX-1 D1-D2のC末端にHis-tag修飾を行う様に遺伝子の改変を行い,大腸菌を用いて発現系させた.その後,Niカラム・イオン交換クロマトグラフィー・ゲルろ過などを用いて精製を行い,1Lの培養から約0.1 mgの精製蛋白質を得た.結晶化スクリーンKITを使用して,結晶化条件の検討を行った結果.微結晶を得た.現在,結晶化条件の最適化を行っている.本課題は,目的蛋白質の収量が低いため,結晶化条件のスクリーニングに時間がかかってしまった. IL-27の精製・結晶化 IL-27はp28とEBI3の2つからなるヘテロ2量体の蛋白質である.大腸菌を用いてp28とEBI3の発現系の構築を行 ったが,可溶化蛋白質は得られなかった.そこで,HEK293T細胞を用いてIL-27のp28およびEBI3を一緒に発現させたが,発現量が少なかった.そこで,HEK293S細胞も使用して発現・精製を行い,サブミリグラムオーダーの蛋白質の調製に成功した.この試料を用いて受容体であるWSX-1との結合実験を行った結果,結合が確認できた.IL-27の発現は,再現性が悪く,また精製中に二量体として安定に存在しなかったため,リンカーで繋いだコンストラクトに変え,その後動物細胞細胞を用いた発現・精製条件の検討に時間がかかってしまった。上記の理由のため,当初の予定より研究の進行が送れている.
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Strategy for Future Research Activity |
WSX-1の精製・結晶化 WSX-1 D1-D2を大腸菌を用いて発現系させた後,Niカラム・イオン交換クロマトグラフィー・ゲルろ過などを用いて精製を行い,1Lの培養から約0.1 mgの精製蛋白質を得ている.その後,結晶化スクリーンKITを使用して,結晶化条件の検討を行った結果.複数の条件で微結晶を得た.今後,結晶化条件の最適化を行い,データ測定および構造解析へと研究を進める予定である. IL-27の精製・結晶化 IL-27はp28とEBI3の2つからなるヘテロ2量体の蛋白質である.HEK293S細胞を用いてIL-27のp28およびEBI3をリンカーで繋いだコンストラクトを作成して発現・精製を行った.その結果,サブミリグラムオーダーの蛋白質の調製に成功している.この試料を用いて受容体であるWSX-1との結合実験を行った結果,結合が確認できている.今後,IL-27を出来るだけ発現させ,単独およびWSX-1との複合体を調製して,結晶化・構造解析へと研究を進めていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算はほぼ当初の計画通り執行したが、13,868円残ってしまった。 繰り越し金は,当初の計画になかった消費税増税分として使用したい.
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[Journal Article] Mutants of lymphotoxin-<alpha> with augmented cytotoxic activity via TNFR1 for use in cancer therapy.2013
Author(s)
Morishige, T., Narimatsu, S., Ikemizu, S., Tsunooda, S., Tsutsumi Y., Mukai, Y., Okada, N., Nakagawa, S.
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Journal Title
Cytokine
Volume: 61
Pages: 578-584
Peer Reviewed
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[Journal Article] Crystallization and preliminary X-ray analysis of human MTH1 with a homogeneous N-terminus.2013
Author(s)
Koga, Y., Inazato, M., Nakamura, T., Hashikawa, C., Chirifu, M., Michi, A., Yamashita, T., Toma, S., Kuniyasu, A., Ikemizu, S., Nakabeppu, Y., & Yamagata, Y.
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Journal Title
Acta Crysatllogr. F
Volume: 69
Pages: 45-48
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] mpact of antibodies against amyloidogenic transthyretin (ATTR) on phenotypes of patients with familial amyloidotic polyneuropathy (FAP) ATTR Valine30Methionine.2013
Author(s)
Obayashi, K., Tasaki, M., Jono, H., Ueda, M., Shinriki, S., Misumi, Y., Yamashita, T., Oshima, T., Nakamura, T., Ikemizu, S., Anan, I., Suhr, O., & Ando, Y.
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Journal Title
Clin. Chim. Acta
Volume: 419
Pages: 127-131
Peer Reviewed
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[Journal Article] Structure and interactions of the human programmed cell death 1 receptor.2013
Author(s)
Cheng, X., Veverka, V., Radhakrishnan, A., Waters, L.C., Muskett, F.W., Morgan, S., Huo, J., Yu, C., Evans, E.J., Leslie, A.J., Griffiths, M., Stubberfield, C., Griffin, R., Henry, A.J., Jansson, A., Ladbury, J.E., Ikemizu, S., Carr, M.D., Davis, S.J.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 288
Pages: 11771-11785
Peer Reviewed