2014 Fiscal Year Research-status Report
転写因子の制御機構解析による植物の環境刺激応答能の解明
Project/Area Number |
25440057
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
柳川 由紀 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物・微生物間相互作用研究ユニット, 特別研究員 (90432591)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | プロテアソーム / タンパク質分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、植物がどのように環境刺激に対して応答し、生きるために自らの機構を制御しているか、を明らかにするために研究を行っている。 転写因子と環境応答能との結びつきという点では現在進行形であり、論文報告前であるために詳細は述べられない。この研究については引き続き研究を進める予定である。 本年度大きな成果を得たのは、本研究課題と密接に関係する発展研究であり、これについて簡単に説明する。まず、ユビキチン化タンパク質の分解に直接寄与するプロテアソームに新規に相互作用する因子を明らかにした。そして、その中に葉緑体局在のタンパク質が多数含まれていることを明らかにした。 葉緑体は光をエネルギーへと変換する器官であり、光という環境刺激に対する植物の制御機構の一つといえる。そこで、同定された葉緑体局在タンパク質についてin vitro及びin vivo系を用いて、それらタンパク質がプロテアソームと直接相互作用すること、それらタンパク質の分解がプロテアソーム阻害剤で阻害されることも明らかにした。このような結果は、葉緑体局在タンパク質が細胞質内でプロテアソームと相互作用して、量的・質的なコントロールがされているのだということを示唆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に本課題の発展研究で進展があり、論文を出すことができた。よって、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
環境刺激応答のキーワードを特に重要視して、植物の環境刺激応答機構を明らかにするために広範囲な視点から研究を進める計画である。 これまではモデル植物であるシロイヌナズナを利用してきたが、環境応答能の研究を発展させるためにはシロイヌナズナのみではなく、必要に応じて他の植物種も利用していく計画である。
|
Causes of Carryover |
効率的に執行した結果差額が出た。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
この残高は次年度の予算と合わせて有効に使用する。
|
Remarks |
<2014年度JPRベスト論文賞> 日本植物学会第78回大会、Igawa T, Yanagawa Y, Miyagishima S, Mori T.
|
Research Products
(1 results)