2015 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体からの小胞輸送を時空間的に制御する分子基盤の解明
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25440079
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 健 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00303602)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小胞体 / COPII / 低分子量GTPase / 小胞輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞内の小胞輸送において、小胞体(ER)からの輸送小胞(COPII小胞)の形成は、小胞体出口部位(ER exit site)と呼ばれるサブコンパートメントで行われており、ER exit siteが受ける高度な制御によって輸送反応が時空間的に制御されていると考えられている。このER exit siteの構築メカニズム、および時空間制御を受けるメカニズムについて解析を行った。平成27年度は、ER exit siteの構築に深く関わることが示唆されているSec16の機能ドメインの解析を行った。その結果、Sec16の小胞体膜へのリクルートには、Sec16配列中のCCDと呼ばれる種間でよく保存されたドメインが深く関わっていることを明らかにした。また、このCCDの上流に位置するSec16のN末端領域が細胞内におけるCOPIIコートのアセンブリーを促進することを見いだし、以前同定したC末端領域のSar1GTPase活性を抑制する機能と合わせて、ER exit siteの構築におけるSec16の各ドメインの役割を明らかにした。 研究期間全体を通じて、酵母細胞をモデルとして小胞体におけるER exit siteの構築メカニズム、およびこの時空間制御について解析を行った。その過程で、COPII小胞の形成過程で中心的な役割を果たす低分子量GTPaseであるSar1の活性制御を行う新規のタンパク質Nel1を同定し、この制御を通じてER exit siteの形成が調節されている可能性が示唆された。また、ER exit siteの構築に深く関わることが示唆されているSec16について機能ドメインの解析を行い、Sec16のN末端領域、中央に位置するCCD領域、およびC末端領域のそれぞれが果たす役割について明らかにし、ER exit site形成メカニズムの一端について明らかにすることができた。
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Research Products
(5 results)