2013 Fiscal Year Research-status Report
ゴルジ体に局在する5回膜貫通蛋白質群YIPFの機能解明
Project/Area Number |
25440092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中村 暢宏 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (50294955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゴルジ体 / Yipドメインファミリー / 小胞体 / エンドソーム / 膜貫通部位 |
Research Abstract |
まず,YIPF1, YIPF2, YIPF6を特異的に認識する抗体を作成し免疫蛍光染色でその局在を解析した。いずれの抗体によっても典型的なゴルジ体染色像を得た。ゴルジ体のシスからトランスにかけてのマーカータンパク質と共染色して,それぞれの分布を詳細に解析したところ,YIPF1, YIPF2, YIPF6はシスゴルジには少なく,メディアルゴルジ以降に多く分布していることが明らかとなった。また,YIPF6はゴルジ体のメディアル部位からTGNにかけて広く分布していたが,YIPF1とYIPF2はトランスゴルジからTGNにかけてより多く分布していた。YIPF1及びYIPF2はさらにエンドソーム用の細胞質顆粒状構造にも局在していた。以上のことから,YIPF1, YIPF2, YIPF6は主としてトランスゴルジ局在することが明らかとなった。つぎに,YIPFタンパク質群の間で最も保存性の高いアミノ酸残基(N末端細質領域のR/K,第1膜貫通部位の細胞質側境界のD,第3膜貫通部位のGY)に注目して,これらの残基をAに変異させて細胞に導入し,その効果を解析した。低レベル発現細胞で変異体の局在を観察したところ,野生型との大きな違いは観察されなかった。特にR/K->Aの変異体はほとんど野生型と同じ局在を示した。また,野生型のYIPF1, YIPF2, YIPF6と同様に変異体の過剰発現によってゴルジ体の分散が観察された。一方,D->A, GY->AAの変異体は小胞体に蓄積する傾向を示した。また,YIPF2の野生型は中程度の発現レベルでエンドソーム用の構造に蓄積したが,YIPF2のD->A及びGY->AAの変異体はエンドソーム用の構造への蓄積を示さなかった。したがって,第1膜貫通部位の細胞質側境界のD,第3膜貫通部位のGYがYIPFの局在に重要な役割を担っていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞レベルでの詳細な局在の解析と変異体の解析によって今後の研究の発展の基礎となる結果が得られている。ゼブラフィッシュを用いた個体レベルでの実験系の構築や酵母ツーハイブリッドシステムの実験系の構築も終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる変異体の作成とその解析,また個体レベルでの解析を進展させる。また,YIPF結合タンパク質のスクリーニングを開始する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画では,実験の効率アップのためサーマルサイクラーを購入する予定であったが,実験計画の変更のため当初の予定ほどサーマルサイクラーの仕様頻度があがっていないため,導入を次年度以降に見送ることにした。 使用頻度の増加によっては,サーマルサイクラーを購入する予定であるが,必要ない場合は実験補助アルバイト雇用による人件費あるいは,必要に応じて消耗品費や業務の外部委託などにあてる予定である。
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