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2013 Fiscal Year Research-status Report

メラニン色素の細胞間輸送法の多様性を理解する

Research Project

Project/Area Number 25440105
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

田所 竜介  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50425633)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsメラニン / メラノサイト / ケラチノサイト / 色素輸送
Research Abstract

本研究は、申請者のライブイメージングにより明らかになった「色素細胞→表皮細胞」へのメラニン色素輸送の観察結果に基づき、「輸送方法を使い分けることにより単位時間当たりの輸送量を調整する」という仮説を立てて、細胞間輸送の機構を理解するものである。平成25年度は、研究計画に従って、輸送法と輸送量の関係について2つの方法で理解を進めた。1)白い品種と黒い品種間で輸送を比較し輸送法と輸送量の関連性を探り、2)人為的に日焼けに近い状態を作ることで輸送に与える影響を調べた。これにあたり、まずライブイメージングのさらなる条件検討を経て、3種類の輸送を撮影できる確率をあげることに成功した。1)トリ品種ネラ(肌が白い)とウコッケイ(肌が黒い)について輸送法の比較を進めたが、両種においては輸送法の有意な違いが検出できなかった。我々の調査から、当初予期したほど両種間の色素沈着量に違いがないことが見出され、これが上記の結果を産んだと推測される。次年度さらに精査の必要あり。2)人為的に日焼けに近い状態を作る一環として、ヒトの日焼け過程において皮膚で発現する因子を、トリの表皮ケラチノサイトに発現させ輸送法に及ぶ影響を調べた。3因子中1因子で色素沈着の亢進がみられ、このとき大きな小胞が多くなり、毛と類似した輸送になることを見出しつつある。輸送量と輸送法の関係について、計画1においては技術的な問題でさらに調査が必要だが、計画2から両者の関係および分子的な理解の糸口を掴みつつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

技術的な面で研究計画通り遂行できていない部分も生じているが、実験手法をフレキシブルに変えて、当初の目的に通り「輸送法と輸送量」について仮説の検証が進んでいる。また2)の成果は、次年度に行う予定の計画を含んでおり、この点予想以上に計画が進行している。当初の計画以上に進展したものもあるが、輸送法と輸送量の関連性については検証がまだ弱いということで「おおむね良好」とした。

Strategy for Future Research Activity

今年度の結果を受けて、このまま次年度以降の計画「輸送法の違いを生み出す機構」を推進できる状態にあり、本研究の目的は達成されるものと予想される。それぞれの輸送を制御する機構を、当初の計画に則り細胞外と細胞内から調査する。とりわけ、細胞外因子については、前述の色素沈着を亢進する因子についての精査を含め、さらに規模を拡大して環境因子を探索する。
輸送法と輸送量の関連性については、日焼けに関する因子によるケラチノサイトの操作から、仮説を支持する結果が得られているものの、研究計画に則り様々なトリ系統や人為日焼けなどについて引き続き調査を続ける。模様と輸送法についても、輸送法と輸送量の関連性を検証する題材の1つとして扱っているが、生物学的に重要な結果に結びつく可能性があるため継続する(これらの目的に合致する系統を探察する必要あり)。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

既に述べた通り、当初の目的通り研究が進行しているが、下記の理由で次年度使用額が生じた。1)名古屋大学鳥類バイオリソース研究センターの支援を受けて、複数のトリ系統について観察を行った(無償)。ウコッケイをはじめとして数系統について、色素輸送を調査したが、研究に合致するものがなく、さらなる系統を調査する必要が出て来た。2)本年度の成果を受けて、次年度の分子メカニズムの解析にマイクロアレイなどを用いて、環境因子を調査することが想定された。以上の理由から、予算を次年度使用して調査を継続する必要がでてきた。
上記の理由を踏まえ、当初の計画よりも多様なトリ系統の購入、および環境因子の探索に予算を配分する予定である。*前者について、場合によっては多彩な色をもつ有羊膜類(爬虫類・鳥類・哺乳類)として爬虫類の使用も視野に入れる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results)

  • [Journal Article] Transgenesis of the Wolffian duct visualizes dynamic behavior of cells undergoing tubulogenesis in vivo.2013

    • Author(s)
      Atsuta, Y., Tadokoro, Y., Saito, D. and Takahashi, Y.
    • Journal Title

      Development Growth and Differentiation

      Volume: 55 Pages: 579-590

    • DOI

      10.1111/dgd.12047

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ライブイメージング法を用いた表皮内メラノサイトの可視化2013

    • Author(s)
      田所竜介、村井英隆、酒井謙一郎、高橋淑子
    • Journal Title

      小児皮膚科学会誌

      Volume: 32 Pages: 5-9

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] A low cost labeling with highlighter ink efficiently visualizes developing blood vessels in avian and mouse embryos2013

    • Author(s)
      Takase Yuta, Tadokoro Ryosuke, Takahashi Yoshiko
    • Journal Title

      Development Growth and Differentiation

      Volume: 55 Pages: 792-801

    • DOI

      10.1111/dgd.12106

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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