2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25440105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田所 竜介 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50425633)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メラニン / メラノサイト / ケラチノサイト / 色素輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はトリ胚を用いたライブイメージングより明らかとなった「色素細胞→表皮細胞」への色素輸送の観察結果に基づき、「輸送方法を使い分けることにより単位時間あたりの輸送量を調整する」という仮説を立てて、細胞間輸送の機構を理解するものである。平成26年は計画に従い、輸送法の違いを生む機構について研究を進めた。ヒトの日焼けにおいて発現上昇する分子をケラチノサイトに発現させ(平成26年度に論文発表)、これらが色素細胞に与える影響を調べた。昨年度からさらに枠を広げて解析をおこなったが、結果、昨年報告したSCFを過剰発現した場合にのみ色素沈着が亢進するという結果になった。これについてさらなる解析を進め、SCFの導入により色素細胞の形態がダイナミックに変化することを見出した。また昨年度実績報告書に記した通り、より多様な動物においても色素細胞の観察をおこない色素システムの進化に関して新たな問いが創出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
色素輸送の要となる分子に辿りつきつつある。しかしながら、解析が進む度に深遠であり、未だ計画に輸送法の使い分け機構の理解という高い目標を達成するには至っていない。しかしながら、おおむね当初の計画に沿って輸送の使い分けに関わる分子の解析が進みつつある。この一方、多様な動物における解析から新たなリサーチクエスションがえられたことは予想以上の収穫であった。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivoに加えてin vitroの実験系も併用して引き続き輸送の使い分け機構についての解析を進める。一方、研究計画に従いガン細胞の移植実験を通して、細胞間輸送の普遍性について理解を進める。
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Causes of Carryover |
当初の予定通り研究が進行しているが、SCFの機構を探るにあたりin vitroの実験系などを用いて更なる解析が必要となった。本年度解析した分子に加え幾つかの因子についても解析する必要がでてきた。加えて、次年度も多様な動物に色素についての解析を続ける。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のin vitro解析を遂行するにあたり、培養関連の試薬器具およびヒト人工表皮の購入費にあてる予定である。また新たな因子の解析のための、DNA組換え試薬なども購入する。
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Research Products
(4 results)