2013 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物におけるマイクロペプチドの探索と分子機能の解析
Project/Area Number |
25440109
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
深見 泰夫 神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00156746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影山 裕二 神戸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90335480)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロペプチド / アフリカツメガエル / 質量分析 |
Research Abstract |
昆虫や植物では10~数10アミノ酸残基のマイクロペプチドと呼ばれる小さいペプチドが個体発生や形態形成において重要な働きをしている事が知られているが、同様な機能を持ったマイクロペプチドが脊椎動物にも存在するかどうかは明らかになっていない。そこで、脊椎動物におけるマイクロペプチドの存在を明らかにするため、アフリカツメガエル卵抽出液よりマイクロペプチドを含むと思われる短鎖ペプチド群を単離する事を試みた。アフリカツメガエルの卵は、通常の動物組織や細胞と異なり、細胞質が非常に大きく遠心操作によって容易に素早く破砕できるので、大量の細胞質因子をタンパク質分解酵素による分解を最小限に抑えた状態で得る事ができるという利点がある。 アフリカツメガエル卵を遠心によって破砕して得た疎抽出液から超遠心法によって細胞質分画を調製し、さらに熱処理によって変性するタンパク質を除いた上澄を限外濾過膜で3分画(分子量10万以上、10万~1万、1万~3千)に分画したものを、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により解析した。その結果、分子量3千~1万の分画に、クマシー染色や銀染色されるペプチドと思われる数多くのバンドを認めた。これらのペプチドバンドを質量分析機により解析した所、いくつかのペプチドは大きなタンパク質の分解産物であったが、その他のほとんどのペプチドは用意したmRNA配列情報(EST Database)からは同定できなかった。この理由としては、用意したEST Databaseが通常の100アミノ酸以上のオープンリーディングフレームを持つものであったことが考えられ、今後はより短いオープンリーディングフレームに対応するEST Databaseを用意する必要がある。また、さらに十分な量のペプチドを調製し、MS/MS解析により内部アミノ酸配列を明らかにしていく必要がある。
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