2014 Fiscal Year Research-status Report
Nanog遺伝子を持たないツメガエル細胞におけるリプログラミングの研究
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25440120
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小沼 泰子 独立行政法人産業技術総合研究所, 幹細胞工学研究センター, 主任研究員 (90431824)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幹細胞 / ツメガエル / リプログラミング / 多能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
多能性幹細胞の成立に必要なシグナルネットワークを進化的な観点から理解するために、多能性維持に重要な役割を果たしているNanog遺伝子がゲノムから失われているツメガエルを用いて研究を行った。多能性幹細胞の樹立に必要なリプログラミング因子であるSox2, Oct3/4, Klf4, c-Mycの導入に後いる培養細胞の作製を行った。初期ツメガエル胚から、組織片の切り出しまたは細胞解離を行い、それらをゼラチンコートしたディッシュ上で接着培養した。細菌等のコンタミネーション対策のために数種の抗生物質を加えた改変型Modified L-15培地を使用して、継代を繰り返し、組織片培養から4株、全胚解離培養から2株のツメガエル培養細胞株を得た。これらの細胞の凍結保存方法についても保存液や温度等の条件検討を行い、生存可能な凍結・融解方法を決定し、選定した複数株について拡大培養を行った。同時にリプログラミング因子の導入に用いるウイルスベクターについても検討を開始し、感染効率の良いウイルスベクターの選定を行った。これらの構築した系を用いて、ツメガエル細胞にリプログラミング因子導入後、50万-100万個程度の細胞を採取しRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ等を用いて網羅的な遺伝子発現解析を行う計画である。結果から推定される多能性幹細胞の成立に必要なシグナルネットワークの動態を、哺乳類細胞と比較し解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ツメガエル胚からの初代培養および細胞株の樹立を達成した。また、リプログラミング因子の導入に必要なウイルスベクターの選定を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
リプログラミング処理を行った細胞の状態を調べるために、DNAマイクロアレイ等を用いて、網羅的な遺伝子発現解析を行う。
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Causes of Carryover |
操作後の細胞の遺伝子発現解析が未達のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞の遺伝子発現解析に必要なDNAマイクロアレイ等の試薬・消耗品の購入を行う。
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