2014 Fiscal Year Research-status Report
落花と落果で異なる離層細胞壁の制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
25440125
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩井 宏暁 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30375430)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 器官脱離 / 細胞壁 / エクスパンシン / XTH |
Outline of Annual Research Achievements |
花と果実では器官脱離過程の離層において、細胞壁構造が大きく異なることが申請者により示されている。免疫組織化学的解析により、落花過程の離層ではヘミセルロースとアラビノガラクタン、落果過程の離層ではリグニンによる細胞壁再編がされていた。器官脱離過程で変化する細胞壁の合成および分解制御に着目し、落花と落果において異なる器官脱離制御機構を明らかとすることが本研究の目的である。本年度は、果実が形成される時期にヘミセルロースが再編されることについて、Pros ONEに論文発表を行った。また、細胞壁再編に関わる酵素であるエクスパンシン、キシログルカンエンドトランスグルコシラーゼ(XTH)、そしてリグニンと関係の深い二次細胞壁形成に関わるセルロース合成酵素CESA4, 7, 8の変化について着目し、調査を行った。落花において、エクスパンシンはもっとも脱離がおこるステージにおいて、離層特異的な蓄積が極大を示した。一方、XTHは、脱離誘導後、1日目にピークを迎えたが、その後直ちに減少した。落果においては、エクスパンシン、XTHともにほとんど蓄積が見られず、またリグニンが蓄積していたのにも関わらず、CESA4,7,9の蓄積も見られなかった。落花と落果では異なる制御機構が存在することが示された。現在、Fronties in Plant Scineceに投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
離層のサンプリングは非常に困難であったが、エクスパンシン、XTH、そして二次細胞壁形成に関わるセルロース合成酵素の変化について、新たな知見が得られたことは大きな進展であると考えている。また、これらに関した論文発表が1報、また現在投稿中であることは、研究の進展に大きく寄与したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの成果についてまとめた現在投稿中の論文について、できるだけ早くに受理を頂き成果として報告できるようにすることが、まず第一の目標である。また、トマトの器官脱離について、ペクチンやカルシウムが本当に関わっていないのかどうかについて、またイネ等の脱粒性についても、発展できるように研究を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Regulatory Specialization of Xyloglucan and Glucuronoarabinoxylan in Pericarp Cell Walls during Fruit Reipening in Tomato (Sonalum lycopersicum)2014
Author(s)
Takizawa, A., Hyodo, H., Wada, K., Ishii, T., Satoh, S. and Iwai, H.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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