2014 Fiscal Year Research-status Report
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25440130
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上口 智治 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (20232738)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 配偶子形成 / 減数分裂 / 幹細胞 / イオンホメオスタシス |
Outline of Annual Research Achievements |
mdo1変異体の次世代種子は正常に発芽することができない。この表現型を抑圧するサプレッサー候補をこれまで100株以上取得した。昨年度は戻し交配を行うと共に解析に値する明瞭な表現型回復を示す候補をさらに選抜し、数株の候補株を得た。今年度はこの作業に継続して取り組む。 mdo1変異の解析と並行して植物体の生長プログラムに表現型を有する新規変異体premature aging 1 (pma1)の解析をさらに進めた。生長における速度論的解析からこの変異体は本葉の生長が早期に停止して老化が早まっていることや生殖生長転換後の茎頂分裂組織の機能が早々に停止してしまい、形態的にも老化した分裂組織の様相を呈することなどを見出した。さらに変異マッピング、塩基配列決定と相補性試験によって原因遺伝子を同定したところ、カチオントランスポーターの一種であるサイクリックヌクレオチド依存性チャネル(CNGC)をコードするCNGC20遺伝子のミスセンス変異がpma1であることを明らかにした。興味深いことにCNGC20のT-DNAノックアウト変異は何ら特異的な表現型を見せず、野生型同様の生育を示した。シロイヌナズナは20個のCNGC遺伝子を有しており、これまでの知見からCNGCはヘテロ四量体を形成して機能することが予想される。したがってこれらの結果はpma1アリルがコードする変異CNGC20タンパク質が他のCNGCと結合することでdose-dependentなdominant negative効果を及ぼしているものと考えられる。今回判明した事実は、細胞内カチオンホメオスタシスがmeristematicな細胞機能に重要であることを示唆しており、大変興味深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サプレッサー変異の取得は予定通りに進捗している。 新規変異体の解析は原因遺伝子の同定に成功し、今後の解析の方針を立てる上で重要な知見が得られたものと評価できる。この成果は当初予定していなかった進展であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
サプレッサー変異については抑圧表現型の程度によって候補をさらに絞り込むという二次スクリーニングを継続する。新規変異体に関しては原因遺伝子の機能から表現型に至るメカニズムについて解明を試みる。その際に変異タンパク質によって機能阻害を受けるターゲットタンパク質の同定と変異の影響を被るカチオン種の想定が重要な鍵となるだろう。
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Causes of Carryover |
変異マッピングが順調に進行したため高額な消耗品の支出が予想より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高価なキット等の使用が想定されるのでそれらの購入に用いる。
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