2015 Fiscal Year Annual Research Report
原形質流動における小胞体運動の役割~小胞体膜タンパク質に着目した解析~
Project/Area Number |
25440132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 晴子 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (90402776)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小胞体 / 原形質流動 / 細胞内運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
原形質流動は植物の細胞内運動であるが,その分子機構については不明な点が多い.われわれは「小胞体運動が原形質流動の原動力である」という仮説のもとに,小胞体の運動メカニズムの研究を行ってきた.本課題では,小胞体運動において全く未解明である小胞体側の機構を明らかにすることを目的として解析を進めた.これまでに小胞体運動に異常を示す変異体を単離し,その原因因子が小胞体膜に局在して小胞体の膜融合を担うRHD3 (Root Hair Defective3) であることを明らかにした.本年度は,rhd3変異体における小胞体運動の詳細な観察から,細胞内全体で流動する典型的な小胞体運動は抑制されているものの,局所的に原形質流動に匹敵する速度で素早く運動する小胞体ドメインが存在することを見出した.このドメインをFluorescence Recovery after Photobleaching (FRAP) により解析したところ,褪色した蛍光シグナルが復活せず,ネットワークから物理的に切り離された小胞体断片であることがわかった.従って,rhd3変異体でも小胞体運動を担うアクチン・ミオシンの装置は維持されており,断片化した小胞体なら駆動することができるが,大きな小胞体ネットワークの流動性が低下していると考えられる.一方, RHD3相互作用タンパク質として同定した新規の小胞体膜タンパク質ファミリーの二重および三重変異体を確立して小胞体を観察したが,運動性には異常が認められなかった.メンバー間でアミノ酸配列の相同性が非常に高く,冗長性が高いことが考えられるため,今後全てのメンバーを欠損した変異体で解析を行い,小胞体運動性への関与を検証する必要がある.
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Phosphorylation of the C Terminus of RHD3 Has a Critical Role in Homotypic ER Membrane Fusion in Arabidopsis.2016
Author(s)
Ueda, H., Yokota, E., Kuwata, K., Kutsuna, N., Mano, S., Shimada, T., Tamura, K., Stefano, G., Fukao, Y., Brandizzi, F., Shimmen, T., Nishimura, M., Hara-Nishimura, I.
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Journal Title
Plant Physiol.
Volume: 170
Pages: 867-880
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Chemical defense systems in Brassicaceae plants.2016
Author(s)
Hara-Nishimura, I., Yamada, K., Shirakawa, M., Nakano, R., Ueda, H., Shimada, T.
Organizer
第57回日本植物生理学会年会
Place of Presentation
岩手大学(盛岡市)
Year and Date
2016-03-18
Invited
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[Presentation] Flavonoid accumulation in Arabidopsis seeds affected by GFS9-mediated membrane trafficking2016
Author(s)
Ichino, T., Fuji, K., Ueda, H., Takahashi, H., Koumoto, Y., Takagi, J., Tamura, K., Sasaki, R., Aoki, K., Schumacher, K., Shimada, T., Hara-Nishimura, I.
Organizer
第57回日本植物生理学会年会
Place of Presentation
岩手大学(盛岡市)
Year and Date
2016-03-18
Invited
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