2014 Fiscal Year Research-status Report
軟骨細胞におけるウロテンシンⅡとそのアナログ(URP)の新しい機能の解明
Project/Area Number |
25440152
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
今野 紀文 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 講師 (50507051)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ウロテンシンⅡ / URP / UTR / urantide / 軟骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウロテンシンⅡの軟骨組織での機能を明らかにすることを目的として、平成26年度はマウス軟骨培養細胞の機能解析を進めるとともに、UTRをノックアウトしたカエルの作製に取り組んだ。マウスの軟骨培養細胞(ATDC5)において内在のUTR発現をRT-PCRにより確認したところ、ATDC5にUTRの発現が検出されなかった。そこで、マウスUTR遺伝子をATDC5にトランスフェクションしてUTR安定発現細胞株を樹立した。発現させたUTRが機能的であるか否かを確認するため、カルシウム動員アッセイを行ったが、ATDC5ではUTRを介したシグナル応答が見られなかった。UTRを発現させた他の培養細胞ではシグナル応答が確認されたため、おそらくATDC5にはUTRを介したシグナル伝達系が備わっていない、あるいは細胞の形質変化により失われた可能性が考えられた。そこで、UTRを介した機能をin vivoで直接的に調べるため、遺伝子に特異的に変異を導入することができるTALENを用いてアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の受精卵にTALEN mRNAをインジェクションした。得られた幼生の尾から抽出したDNAをもとにUTR遺伝子に変異が導入されているかどうかをジェノタイピングによって確認した。その結果、TALENをインジェクションした約1/4の胚でUTR遺伝子に変異が導入されていることがわかった。現在、変異が導入された個体の表現型の解析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたマウス軟骨培養細胞ATDC5での機能解析が実験に用いた軟骨培養細胞の形質が原因で思うように実施できなかったため、個体レベルでの機能解析に切り替えた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究では、UTRをノックアウトしたツメガエルと正常個体の軟骨形成過程を比較して、UⅡ-UTR系が軟骨形成にどのように関与しているのかについて精査する。また、UⅡおよびUTRをノックアウトしたメダカのヒレ(軟骨)の再生を観察することで軟骨形成におけるUⅡ-UTR系の関与が系統学的に下位に位置する魚類にも存在するか否かを明らかにしていく。
|