2013 Fiscal Year Research-status Report
基底膜ライブイメージングによる組織構築メカニズムの解析
Project/Area Number |
25440155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
二木 杉子 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教 (00403014)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞外マトリックス / 基底膜 / ライブイメージング |
Research Abstract |
平成25年度は、まず基底膜蛋白質nidogen-1にEGFPの他、mCherry, Venus, Kaedeなど様々な蛍光蛋白質を融合させた複数の組換え蛋白質発現系を試作し、哺乳類細胞での発現・分泌効率が高いものの探索を行った。その結果、赤色蛍光蛋白質mCherryを融合させたnidogen1(nid1-mCherry)が高い発現・分泌を示すことが確認できた。そこでnid1-mCherry発現コンストラクトをマウスES細胞に導入し、安定発現細胞株を得た。nid1-mCherry安定発現ES細胞は、未分化状態ではほとんど蛍光が認められなかった。一方で胚様体に分化させた場合、基底膜部位にmCherryの蛍光が集積する様子が認められた。nid1-mCherryは未分化状態のES細胞では発現・分泌レベルが低く押さえられているか、もしくは分泌されてもすぐに拡散されており、胚様体が分化して基底膜を形成する状態になって始めて基底膜に集積して蛍光が観察されたものと考えられる。 以上の結果から、nid1-mCherryを用いた基底膜ライブイメージングが可能であることがin vitroで確認できた。この成果をふまえ、基底膜イメージングモデル動物としてnid1-mCherry発現トランスジェニックマウスの作製に着手した。トランスジェニックマウス作製は理化学研究所発生・再生科学総合研究センター動物資源開発室との共同研究で行い、ROSA26遺伝子座にnid1-mCherry発現コンストラクトをノックインし、Cre-loxPシステム依存的にnid1-mCherryの発現が制御できるようにデザインした。これまでに相同組換えES細胞が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・EGFP融合nidogen1の問題点を克服し、効率よく発現・分泌する基底膜蛍光プローブとしてnid1-mCherry発現系を確立した。 ・マウスES細胞に発現させたnid1-mCherryは胚様体の基底膜に集積して蛍光が観察され、in vitroでの基底膜イメージングが可能であることが確認できた。 ・Nid1-mCherry発現系を用いて、in vivo基底膜イメージングのためのモデルマウスの作製にも着手して進行中である。 以上で平成25年度の当初の計画が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) ひきつづき理化学研究所との共同研究で、基底膜イメージングモデルマウスの作製をすすめる。Nid1-mCherry発現トランスジェニックマウスが得られた場合、まずは組織学的な解析で基底膜蛍光標識の評価を行う。さらに初期胚や器官培養系を用いて、マウス胚発生・器官形成における基底膜動態観察に取り組む。同時に、テトラサイクリン誘導型nid1-mCherry発現系の構築とin vitroでの評価も行う。 (次年度の研究費の使用計画) 物品費は誘導型nid1-mCherry発現系構築のための遺伝子組換え実験、細胞培養実験に使用する。また、トランスジェニックマウス作製関連費用として150万円を計上しており、マウス飼育・輸送費用およびテトラサイクリン誘導型に改良したトランスジェニックマウス作製に使用する。
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Research Products
(4 results)