2015 Fiscal Year Research-status Report
基底膜ライブイメージングによる組織構築メカニズムの解析
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25440155
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
二木 杉子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00403014)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 基底膜 / 細胞外マトリックス / ライブイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、基底膜イメージングモデル動物として作製したトランスジェニックマウスの評価を行った。Rosa26-CAGプロモーター下で全身にnidogen1-mCherryを発現するトランスジェニックマウス(nid1-mCherry Tg)は正常に出生・成長し繁殖可能である(平成26年度の成果)。 nid1-mCherry Tgの胎仔、新生仔、および成体において複数の臓器でnidogen1-mCherryの蛍光が基底膜に局在するかどうかを評価した。胎仔期においては、発生初期のE6.5でエピブラスト基底膜およびReichert膜に蛍光が確認された。また発生後期では表皮、腎臓、肺、消化管で上皮や血管の基底膜に蛍光が局在していることも明らかとなった。特に消化管や血管の平滑筋層においては、筋細胞の基底膜にnidogen1-mCherryの蛍光が非常に強いことも見出された。新生仔および成体においても表皮、腎臓、肺で同様に基底膜に蛍光が局在している様子が認められた。一方で、成体の腎臓においては、尿細管の一部で細胞内に非常に強い蛍光が集積していることも明らかとなった。これは尿細管上皮細胞におけるnid1-mCherryの発現・分泌能の差異を表していると考えられるが、その詳細は今後の解析が必要である。 胎仔組織を用いたwhole-mount観察を行ったところ、基底膜の蛍光とともに細胞内小胞の蛍光が強く、基底膜ライブイメージングを行うにあたってはさらに詳細な条件検討が必要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度4月より研究代表者が異動したため研究環境が変化し、マウス組織を用いた培養実験の条件検討を十分に行うことができなかった。そのため目標としていた器官培養における基底膜ライブイメージングおよび基底膜の動態解析のデータが得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
Nid1-mCherry Tgマウスを用いた基底膜ライブイメージングの条件を確立し、胎仔組織の器官形成期における基底膜の動態を明らかにする。次年度使用額は以上の計画の遂行に必要な費用として使用する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度4月に現所属に異動したため、研究環境が大幅に変化した。特に教育関連業務が増加し、データ取得のための実験条件検討に十分な時間が割けなかったことが理由としてあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウス胎仔組織を用いた器官培養系の確立と、その培養系を用いた基底膜ライブ観察のデータを取得し、その成果を学術論文として発表する。
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Research Products
(3 results)