2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25440178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
酒泉 満 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40175360)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 性決定遺伝子 / 性染色体 / Dmy / メダカ |
Research Abstract |
Dmyをもたないメダカ近縁種の性決定遺伝子同定を目指して、以下の研究成果を得た。 1. 性決定機構の解明が進んでいないメダカ属・セレベスメダカグループの6種(O. marmoratus, O. profundicolla, O. matanensis, O. celebensis, O. woworae, O. wolasi)の性決定システムはすべてXX-XY型であり、性染色体は、marmoratus, profundicollaがメダカのLG10と相同、残りの4種がLG24と相同であることが判明した。性決定領域に対応するメダカゲノム領域の情報から、LG10上の性決定遺伝子としてSox3が有力であることが分かった。 2. 性決定機構の解明が最も進んでいるミナミメダカグループに属するハイナンメダカの香港系統はDmyをもつのに対し、ラオス系統はLG1上にDmyをもたず、性染色体はLG4であることが判明している。香港系統とラオス系統の交配を用いた詳細性連鎖地図を作成したところ、LG4の末端のマーカーと性決定領域との間の組換え体が得られ、性決定領域の片方の境界が明らかとなった。そこで、ラオス系統のフォスミドライブラリーを作成し、LG4側からの染色体歩行を開始した。 3. 同じくミナミメダカグループのメコンメダカにおいては、カラシン系統の性染色体がLG2、サコンナコン-1系統ではLG13であることが判明している。今回新たに、ウドンタニ系統ではカラシン系統同様LG2であり、性染色体がLG13でないことが分かっているサコンナコン-2系統ではLG2であることが明らかとなった。性連鎖地図から判断すると、カラシン系統とウドンタニ系統の性決定遺伝子は共通である可能性があるが、サコンナコン-2系統では性決定遺伝子が異なる可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メダカの性決定遺伝子であるDmyをもたないメダカ近縁種の性染色体や性決定機構について順調に情報が蓄積されている。博士課程学生の」体調不良により、ハイナンメダカ・ラオス系統の性決定領域の解析、および同じミナミメダカグループのソンクラームメダカの性決定領域の解明に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
セレベスメダカグループの性決定機構とペクトラリスメダカの性決定遺伝子について論文発表を奨めると同時にラオス系統およびソンクラームメダカにおける性決定領域の解析に力を注ぐ。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
機器の故障等もなく順調に研究活動が進んだため 次年度の薬品、実験器具など消耗品に当てる。
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