2014 Fiscal Year Research-status Report
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25440178
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
酒泉 満 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40175360)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 性決定遺伝子 / 性染色体 / ハイナンメダカ / 性決定カスケード |
Outline of Annual Research Achievements |
Dmyをもたないメダカ近縁種の性決定機構の解明を目指して以下の研究成果を得た。 1. メダカ属のセレベスメダカグループに属するマダラメダカ(O. marmoratus)の性染色体が10番、性決定遺伝子の有力候補がSox3と判明したことから、X, Y両染色体上sox3の塩基配列を比較したところ、アミノ酸配列は同じで、Y上のSox3の下流に430bpの挿入配列があることが分かった。さらに、本種に最も近縁で、性染色体も10番であるソコメダカ(O. profundicola)のX およびYの配列と比較した結果、当該挿入配列の有無が性と100%一致することが明らかとなった。また、当該挿入配列は、同じくSox3が性決定遺伝子であるジャワメダカグループのインドメダカには存在しなかった。これらの結果は、Sox3がセレベスグループとジャワグループとで独立に性決定遺伝子に進化し、その原因が、発現調節領域に生じた変化である可能性を示している。 2. ハイナンメダカ・ホンコン系統の性染色体は1番で性決定遺伝子はDmyであるが、ラオス系統の性染色体は4番であることが判明しており、両系統のF1雑種の解析から、4番上の性決定遺伝子はDmyに始まるメダカの性決定カスケードのキー遺伝子であることが予想された。両系統の交配による性連鎖解析から、4番染色体の先端が性決定領域であり、染色体中央に位置する大きな逆位の片方のブレークポイントを含む当該領域には12個の遺伝子が含まれることが明らかになった。本ブレークポイントの位置を解明することでさらに候補遺伝子の数を絞ることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たな近縁種の性決定遺伝子が解明できた。さらのもう一種の性決定遺伝子の解明が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. マダラメダカについては、ノックアウトを作成することによってsox3が性決定遺伝子であることを証明する。 2. ハイナンメダカ・ラオス系統については、性決定領域の詳細物理地図の作成と候補遺伝子の発現解析により、候補遺伝子の絞り込みを行う。 3. メコンメダカについては、性染色体が未解明の系統の解析を進めるとともに、13番染色体上の性決定領域の絞り込みを進める。
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Causes of Carryover |
東京日帰り出張とDNAオリゴ購入に使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
出張費 29680 DNAオリゴ 3453
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] .A novel male determination pathway through co-option of Sox3 in a medaka-related fish Oryzias dancena.2014
Author(s)
Takehana Y., Matsuda M., Masuyama H., Myosho T., Shin-I T., Kohara Y., Kuroki Y., Toyoda A., Fujiyama A., Hamaguchi S., Sakaizumi M., Naruse K
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 10
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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