2016 Fiscal Year Annual Research Report
Inferring cell differentiation processes based on phylogenetic analysis of genome-wide epigenetic information
Project/Area Number |
25440186
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小柳 香奈子 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (20362840)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 系統解析 / 細胞分化 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / 細胞系譜 / 祖先復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
受精卵が遺伝子の発現状態を変化させながら、細胞分裂・移動・死を通して、どのようにして多種類の細胞からなる一個体を形成していくのかを理解することは、生物学の大きな目標の一つである。本研究では、体細胞エピゲノム情報の系統解析からこの細胞系譜の推定を試みる。さらに推定された細胞系譜の祖先節の形質状態、すなわち分化の途中段階の細胞のエピジェネティック修飾の状態をゲノムワイドに推定し、細胞分化過程を理解することを目的とする。 2016年度は、血球系細胞をモデルケースとして行った解析から得られた知見に基づき、2015年度に引き続きヒト成体の各種細胞への応用を試み、2015年度に推定された細胞系譜に基づき、各祖先節のメチル化の状態(ON/OFF)の推定を行った。具体的には、ENCODEプロジェクトから公開されているヒト成体(肺、胃、肝臓、膵臓、腎臓、副腎、骨芽細胞、骨格筋、心膜、左心室、心筋、子宮筋、脳、皮膚、乳房、子宮、精巣、胎盤、メラニン細胞、白血球、線維芽細胞)の各種細胞のゲノムワイドなDNAメチル化情報を用いた。まずメチル化情報を2値化(ON/OFF)し、クラスタリングによりサイトを定義した。定義されたサイトに基づき、最節約法にて系統解析を行い、系統樹における各祖先節のメチル化状態(ON/OFF)を最節約法により推定した。これにより細胞分化過程の各系統の各段階における、ゲノム上の各サイトのDNAメチル化状態の変遷過程が推定された。
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Research Products
(1 results)