2014 Fiscal Year Research-status Report
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25440188
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
西田 洋巳 富山県立大学, 工学部, 教授 (60301115)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒストン / ゲノムDNA / 塩基組成 / 等電点 / 菌類進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物のゲノムDNAはヒストン8量体と結合し、ヌクレオソームを形成している。このヌクレオソーム形成の頻度はゲノムDNAの塩基組成における平均グアニン・シトシン含量(GC含量)よりも5%ほど高い領域において最も高い。ヒストンタンパク質は塩基性アミノ酸に富み等電点が高く、負の電荷を持つDNAと結合する。そこで、菌類におけるヒストンタンパク質の等電点とゲノムDNAのGC含量との関係について調べた。その結果、担子菌類および糸状子嚢菌類は古生子嚢菌類および子嚢菌酵母よりもゲノムDNAのGC含量が高い。しかし、ヒストンH3の等電点の分布では4つの菌類系統群において、担子菌類が最も高い数値であり、糸状子嚢菌類は最も低い数値であったことなど、ヒストンの等電点の分布とゲノムDNAのGC含量には関連性は見出せなかった。このことはヒストンタンパク質の進化とゲノムDNAのGC含量の進化が各菌類系統群において独立に生じていることを意味している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にはアスペルギルスに焦点をあててエキソン、イントロンとゲノムシグネチャの関連について解析を行い。今年度は菌類全体を比較対象として、ヒストンの等電点とGC含量の関連について解析した。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム支援を受け、古生子嚢菌類Saitoella complicataのゲノムDNA塩基配列、発現RNA塩基配列、ヌクレオソームDNA断片塩基配列のデータを取得した。これらのデータを統合した解析を中心として研究を行う。
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Causes of Carryover |
予定よりも実験に関する消耗品費が安かったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度に相応しい実験を行う。
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