2015 Fiscal Year Annual Research Report
漁業活動による生活史形質と行動形質の進化:その遺伝的基盤の解明へ向けて
Project/Area Number |
25440190
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松村 秀一 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (30273535)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 進化 / 漁業 / ゲノム / 攻撃性 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
数世代にわたって漁業を模した選抜試験をおこなったゼブラフィッシュ(Danio rerio)集団に生じた表現型レベル及び遺伝子型レベルの変化についてまとめた論文を発表した。ゲノム全体に配置した371のSNPマーカーのうち8つにおいて、選抜系統間で有意な違いが生じていた。これらのマーカーは、セロトニン合成、イオン輸送、転写調節などに関与する遺伝子の中もしくはその近傍に位置していた。さらに、選抜試験により生じた生活史の変化は、高い「漁獲圧」に適応的であることが、数値シミュレーションにより明らかになった。 釣られ易さに違いのあるオオクチバス(Micropterus salmoides)の2集団合計59個体からDNAを抽出し、Drd4およびIgf2遺伝子に関して多型解析をおこなった。その結果、集団間で有意な違いが検出され、それぞれの集団に固有なハプロタイプも検出された。これらのことから、Drd4とIgf-2が釣られやすさに関与している可能性が示唆された。さらに、最終年度には、釣られ易さに関与する遺伝子をゲノム全体から広く探索することを目的として、RADシークエンシング解析に取り組んだ。SNPマーカーを作成し、ナイルティラピア(Oreochromis niloticus)の連鎖地図にマッピングした結果、集団間で違いがある可能性のあるゲノム領域がいくつか発見された。今後、オオクチバスのゲノム情報が整備されるにともない、釣られ易さに関与する候補遺伝子のリスト化へと進むことができると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] The evolutionary legacy of size-selective harvesting extends from genes to populations2015
Author(s)
Uusi-Heikkila S, Whiteley AR, Kuparinen A, Matsumura S, Venturelli PA, Wolter C, Slate J, Primmer CR, Meinelt T, Killen SS, Bierbach D, Polverino G, Ludwig A, Arlinghaus R
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Journal Title
Evolutionary Applications
Volume: 8
Pages: 597-620
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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