2015 Fiscal Year Annual Research Report
渓流沿いと蛇紋岩地の狭葉化は相同か?:異なる環境での類似形質の進化過程の解明
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25440213
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
福田 達哉 高知大学, その他の研究科, 准教授 (00432815)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境適応 / 形態的分化 / 渓流沿い / 蛇紋岩地 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境ごとに形態を変化させることにより適応していることが明らかとなっているキキョウ科植物のツリガネニンジンに関して、今年度は陸上型、渓流型、蛇紋岩地型として分化しているツリガネニンジンの資源分配様式を明らかにすることを目的として研究を行った。 本研究では、サンプルを陸上型に関しては高知県南国市の1集団から31個体、蛇紋岩地型に関しては高知県高知市と南国市の2集団から63個体(32個体+31個体)、渓流型に関しては高知県長岡郡本山町と高岡郡梼原町の2集団から64個体(31個体+33個体)用いて昨年度と同様の植物体の各器官の形態計測に加え、植物体を分解し100度で72時間乾燥させることによりそれぞれの絶乾重量の計測を行った。 解析の結果、花、葉、茎、根の4器官への資源分配に関する絶対量の違いはあるものの、資源分配比率に関しては、陸上型、渓流型、蛇紋岩地型間で有意な差が認められなかった。しかし、葉一枚当たりの資源投資量を各環境型間で比較を行った結果、陸上型と比べて渓流型、蛇紋岩地型が多い傾向があることが明らかとなった。この結果は、渓流沿いや蛇紋岩地といった特殊環境に適応するに当たり、渓流沿いの場合は流水ストレスに対し、また蛇紋岩地においては保水性の無い土壌に対する乾燥ストレスに対して強固な葉で適応していることが明らかとなった。また、本研究の形態解析の結果から陸上型に対して渓流型や蛇紋岩地型が狭葉化しており葉面積が縮小化しているものの、葉へ資源投資量が各環境間で有意差が認められなかったために、渓流型や蛇紋岩地型では節間を短くして葉の枚数を増加させ適応していることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] A new form of Aster hispidus Thunb. var. leptocladus (Makino) Okuyama, f. tubuliflorus Y. Kumekawa, J. Yokoy. & T. Fukuda (Asteraceae)2016
Author(s)
Kumekawa Y, Yoshioka K, Kubose Y, Fujimoto H, Uemoto C, Ozaki Y, Ohga K, Nakayama H, Yokoyama J, Fukuda T
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Journal Title
Journal of Japanese Botany
Volume: 92
Pages: 49-51
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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