• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

分岐年代推定に関わる諸問題

Research Project

Project/Area Number 25440219
Research InstitutionThe Institute of Statistical Mathematics

Principal Investigator

長谷川 政美  統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (60011657)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 足立 淳  統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30370092)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords分岐年代推定 / 真獣類 / 古顎類 / 古代DNA / 種サンプリング密度 / ベイズ法 / ロバストな推定
Outline of Annual Research Achievements

ミトコンドリアのデータによる系統樹推定には、モデルのミススペシフィケーションによる間違いがよく見られる。真獣類の系統進化についての解析を行うことにより、推定の偏りは種サンプリング密度を高めることによってある程度克服できることを示した。この問題は次の分岐年代推定でも重要である。
古顎類の系統進化を研究した。現生古顎類はゴンドワナ大陸由来の地域に生息し、シギダチョウ以外は飛べないため、ゴンドワナ大陸の分裂とともに種分化してきたものであると考えられてきた。この考えの成否判定には、分岐の順番と年代を正しく推定することが不可欠である。ところが従来の研究では、推定分岐年代が解析の際の仮定に大きく左右され、その信頼性に疑問が持たれた。現在まで生き残った古顎類の系統は限られており、人類によって最近絶滅に追いやられた古顎類を含めた解析を行うことは、種のサンプリング密度を高めるという点からも重要である。
2,000年前以降に絶滅したマダガスカルのエピオルニス科2種(エピオルニスとムレロルニス)のゲノムを古代DNAの手法で解析した。ミトコンドリア・ゲノムのほぼ全長配列と多数の核遺伝子である。ベイズ法による年代推定法を用い、化石証拠から年代の事前分布を与えた上で、尤度を介して事後分布を計算した。事前分布には強い根拠がないことが多いが、恣意的に与えた事前分布が事後分布に強く影響を与えるようでは困る。われわれの解析では種のサンプリング密度を高め、更に配列データを長くした結果、事後分布があまり事前分布に依らなくなり、ロバストな推定が得られた。 古顎類の多様化はゴンドワナ大陸の分裂よりも新しい時代に起ったものであり、北方のローラシア大陸で進化した古顎類の祖先が、ゴンドワナに移住した可能性が高いことが示された。
植物進化の時間スケールを把握するため、Camellia属のサンプリングを行ない、DNA解析を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

マダガスカルのエピオルニスは2,000年前以降に絶滅した古顎類であり、最近の古代DNA解析の対象としてはそれほど古いものではない。しかしマダガスカルの高温多湿の環境下に置かれていたために、DNAの劣化が進んでおり、これまでゲノム規模の解析は不可能だと考えられていた。ところが、最新の古代DNA技術を習得した国立極地研究所の瀬川博士の協力とゲノム支援のサポートを得ることができたために、そこで得られたデータを用いることにより当該研究も計画以上に進展した。

Strategy for Future Research Activity

前年度の古顎類ゲノム解析により、エピオルニスなど最近になって絶滅した種を含む現生古顎類全体のロバストな系統樹が得られた。しかし、古顎類進化の全貌を把握するには、進化の初期に絶滅した化石種を含む解析が必要であり、形態データを含めた解析も重要である。ただし、形態レベルでは収斂進化が頻繁に起っているので、系統関係を知るためには、収斂しやすい形質を解析から除くことが考えられる。形態形質データのなかで、分子系統樹を再現するものだけを選び出し、そのような形質について化石種を含めた解析を行なう。更に、系統樹上の共通祖先の形態を推定することは、進化がどのように進んできたかを把握する上で重要であり、そのための方法を開発する。このように形態データと分子データを統合した解析は、化石種を含めて進化の時間スケールを知る上で重要である。
前年度サンプルしたCamellia属の解析を進め、植物進化の時間スケールを把握する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Importance of synonymous substitutions under dense taxon sampling and appropriate modeling in reconstructingthe mitogenomic tree of Eutheria2014

    • Author(s)
      Wu, J., Hasegawa, M., Zhong, Y., Yonezawa, T.
    • Journal Title

      Genes and Genetic Systems

      Volume: 89 Pages: 237–251

    • DOI

      http://doi.org/10.1266/ggs.89.237

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Polyphyletic origins of schizothoracine fish (Cyprinidae, Osteichthyes) and adaptive evolutionin their mitochondrial genomes2014

    • Author(s)
      Yonezawa, T., Hasegawa, M., Zhong, Y.,
    • Journal Title

      Genes and Genetic Systems

      Volume: 89 Pages: 187–191

    • DOI

      http://doi.org/10.1266/ggs.89.187

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Book] 系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史2014

    • Author(s)
      長谷川政美
    • Total Pages
      192
    • Publisher
      ベレ出版

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi