2014 Fiscal Year Research-status Report
適応放散過程にあるトラフグ属魚類の集団・種多様性進化過程の解明
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25440227
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
高橋 洋 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 助教 (90399650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 治己 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 教授 (80399659)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 種間交雑 / 適応放散 |
Outline of Annual Research Achievements |
AFLP法によって明らかになった自然種間交雑の多く見られる種間(A種とB種)に形成された雑種について,より定量的な試料採集を行い,合計279個体について雑種クラス判別を行った。その結果,131個体のF1雑種,18個体の戻し交配第1世代(BC1)雑種が見つかり,両種間に自然下で大規模な交雑現象が起きていることが確認された。また,F1雑種の母系をmtDNAの塩基配列に基づき調べたところ,A種を母系とするものが32個体,B種を母系とするものが99個体と,大きな差があった。またBC1雑種のうち17個体はA種に,残りの1個体はB種に戻し交配しており,種間交雑による遺伝子流動はB種からA種方向に偏って起きていることが示唆された。AFLP法およびmtDNA塩基配列に基づく種全体としての遺伝的多様性は,A種の方がB種よりもはるかに大きかったことから,B種が最近になってA種より生殖的に隔離され,創始者効果と一方向的な遺伝子流動により遺伝的多様性が低くなっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初の計画通り,種間交雑の多く見られる種間について定量的な試料採集を行い,多数の自然種間交雑個体をAFLP法およびmtDNA塩基配列に基づき解析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
AFLP法によって雑種クラス判別された個体のうち,F1と戻し交配第1世代個体について,RADライブラリを作成し,次世代シーケンサーを用いたシーケンス分析を行う。それらを基に,雑種の遺伝子型を推定し,純粋個体を比較することにより,種間交雑を起こしている個体に特徴的な遺伝子型が存在するのかどうかを調べる。
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Causes of Carryover |
物品費のうち試薬・消耗品にかかる金額の一部が年度末まで確定せず,計画に比べて少額になったため,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度末に不足した試薬・消耗品の購入に充てる。
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