2014 Fiscal Year Research-status Report
新発見の沖縄更新世人頭蓋骨のデジタル復元による形態学的研究
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25440252
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
土肥 直美 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30128053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 礼子 独立行政法人国立科学博物館, その他部局等, その他 (30356266)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 更新世 / 沖縄県 / 石垣島 / 白保竿根田原洞穴遺跡 / 頭蓋骨 / デジタル復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、沖縄県石垣島白保竿根田原洞穴遺跡で新しく発見された希少な更新世頭蓋骨について、アナログ(手作業)復元とCTスキャンによる新しいデジタル技術を組み合わせることによって、より詳細な形態学的研究に対応できる資料を作製すること、また、これまで港川人だけで議論されてきた日本列島の更新世人類について、新たな議論を展開することを目的としている。 初年度は2012年に発見された比較的保存良好な頭蓋骨について、国立科学博物館上野本館でCTスキャンを行い、デジタル復元の有効性を確認することが出来た。 本年度はやや保存不良の資料、2010年発見の頭蓋骨と2013年発見の頭蓋骨について、CTスキャンによるデジタルデータの収集を行った。その際、初年度に行った検討を踏まえ、出来るだけ細部までアナログ(手作業)復元を進めた上でCTスキャンによるデジタルデータ収集を行い、全体の復元精度を高めるように努めた。アナログ復元は、土肥を中心に、可能な限り細かな破片まで収集し、接合した。 その後、2014年5月に2010年発見の頭蓋骨を、2015年3月に2013年発見の頭蓋骨を国立科学博物館上野本館に運び、CTスキャンを実施した。現在、河野がコンピュータ上でのデジタル復元作業を進めている。細かな部位の追加スキャンが必要になる可能性はあるが、研究プロジェクトはほぼ予定通り順調に進んでいる。また、分析のための比較資料収集も準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は前年度の結果を踏まえて、新たに2個の更新世頭蓋骨のデジタルデータ収集を行うことが出来た。したがって、次年度に行う予定のデジタル復元、レプリカ作成、形態学的研究に向けた準備はほぼ整ったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに3個の更新世頭蓋骨のデジタルデータ収集をほぼ終えている。今後は細部の追加スキャンを行うとともに、アナログとデジタル相互の情報をフィードバックしながら、より精度の高い復元を目指す。最終的に3次元プリンターによるレプリカ作製を行い、港川人との比較研究など、成果のまとめを行う。また、復元された頭蓋骨レプリカの一般公開を企画中である。
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