2013 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害者の反響定位に関わる放射音の考案と訓練方法の開発
Project/Area Number |
25440257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 孝文 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70144061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 陽一 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (50584265)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エコロケーション / 視覚障害者 / 白色雑音 / 純音 / 周波数特性 / 反響音 |
Research Abstract |
本研究では(1)反響定位(エコロケーション)に最適な放射音の条件を明らかにすること、(2)その反響音を用いた訓練プログラムを作成し、反響定位確立の程度と訓練の関係を明らかにすることを目的としている。 平成25年度は実験セットの構築と放射音に対する反響定位特性の研究(周波数特性)を行った。実験セットは、無反響ハウスの作成、吹鳴装置、音記録装置の構築である。ハウスは幅138cm×高さ186cm×奥行き366cmで、壁及び天井部分はエコボードに吸音マット(SONEX)を貼り、床は板材に防音シートと吸音マットを敷いた。更にハウス全体を遮音カーテン(シュティーレ、川島織物)で覆った。遮音効果は0.1, 0.5, 1, 10kHzで各6, 15, 30, 37dbA, 白色雑音で30dbAであった。吹鳴装置は制御用PC(MacBookPro)、オーディオインターフェース(FireFace UFX)、パワーアンプ(AMP53)、スピーカ(TD510ZMK2)で、記録装置はペアマイク(M50 MATCHED PAIR)とFireFaceで構成した。 聴力に支障のない健常成人で試験試行を行った。白色及びピンク雑音、0.25, 1, 2, 4, 8kHz純音をduration 500ms、55dbA(スピーカ前方1m)で吹鳴させた。アルミ板(450×455×1.5mm)をスピーカから0.5, 1, 1.5, 2, 2.4mに置き、各距離で板ありなし各10回計20回をランダム順序で呈示して、板の有無の回答を得た。どの音も距離増大と共に正答率は減るが、白色・ピンク雑音は1-0.8、純音2kHzは0.85-0.45、4kHz0.95-0.6、8kHz0.95-0.45と音で差があった。周波数特性として純音の中では4kHzが定位しやすく、 1kHz以下は定位が困難であることが予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度はセット構成と純音のエコロケーションの放射音としての特性検討を計画した。セットについては完成させているが、純音周波数と定位のしやすさの関連検討は試験実験を開始しているところである。判定には音強さと音色を判断材料に利用するが、これまでのところ、純音は音色の変化は聞き取れず強さのみが判定材料となること、低周波数音は強さの違いを判定しにくく、2kHz以上の高周波数音が強さの違いを判断しやすいことの感触を得ている。以上の理由から、達成度は総合的に70%程度と判断する
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に沿って進める予定である。平成26年度前半期は引き続き純音周波数と定位しやすさとの関係を調べる。また物理的解析として被験者の耳に入る干渉音の周波数特性の変化を調べ、変化が反響定位にどのように影響しているかを検討する。被験者は晴眼者と視覚障害者とし、両者の結果を比較する。次に、複数の純音を組み合わせた複合音を用いて反響定位実験を行う。周波数の組み合わせは低、中、高各帯域について、同域内での組み合わせ及び他域との組み合わせについてその効果を調べる。また有色雑音で定位効果が高まるかどうかを調べるために、各周波帯域内に中心周波数を持つ有色雑音について定位効果を調べる。これらの結果を基に定位に最適な音を考案する。 後半期からは、考案した音を用いて反響定位訓練法の開発を行う。定位の内容は反射板の有無、距離、方向、サイズ、形とし、基本レベルである有無識別の訓練方法の検討から始める。反射板の有る条件と無い条件の対で提示してどちらが有る場合かを識別する訓練を行い、続いて有る場合と無い場合をランダムに提示しての訓練を行う。次に距離について行うが、基本的には有無の識別と同様の手法をとる。2 種の距離で対の提示で訓練を行い、技能を習得した段階で距離の種類を2から3に増やす。識別が可能になった段階で有無と距離を組み合わせた条件での識別の訓練を行う。次いで方向(正面、左、右)の違いに移り、距離と同じ方法で訓練する。これが出来た段階で有無、距離、方向を組み合わせて訓練する。音環境としては最初は無音、次に疑似的屋外環境音下と進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大方予定どおり使用し、端数として624円残となった。 平成26年度の消耗品購入に充当する。
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